コロナ後のインフレが合従連衡誘発、食品スーパー市場占有率&上位ランキング2023
ダイヤモンド・チェーンストア誌調査※1によると、2021年度の食品スーパー(SM)の市場規模は18兆7917億円と推計され、前年から0.7%の微増だった※2。前年のコロナ特需の反動を受けて減収となった企業も少なくなく、一転して成長の鈍化がみられるようになってきた。特需が終わり経営環境が厳しさを増すなか合従連衡の動きは依然活発で、勢力図は刻々と変化している。
※1:本誌2022年9月15日号特集「日本の小売業1000社ランキング」にSM企業としてランクインした計324社の合計売上高と、今回よりGMSからSMに区分を変更した旧フジ(現:フジ・リテイリング)の22年2月期の単独営業収益を加算して算出
※2:旧フジの売上加算分を除外すると、約1%の減少となる
イオンのSM再編はほぼ完了、シェアは16%超に
国内流通市場における2大勢力であるイオン(千葉県)とセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)。両者は傘下に複数のSM企業を有しており、同市場においても高いシェアを有する。
国内流通最大手イオンの22年2月期のSM事業売上高は3兆337億円(注:算出方法については図表の注記を参照)で、マーケットシェアは約16.1%に上る。2位以降のシェア率は1ケタ台であり、圧倒的な存在感を示している。
同社は18年10月に「スーパーマーケット改革」を打ち出し、全国6のエリアでSMや総合スーパー(GMS)の事業会社の大規模再編を実施。北海道では20年3月にイオン北海道がマックスバリュ北海道を吸収合併、東北エリアでは同じく20年3月にイオンがマックスバリュ東北を完全子会社化したうえでイオン東北(秋田県)に商号を変更、その後同社はイオンリテール東北カンパニーの事業を継承している。東海エリアでは、マックスバリュ東海(静岡県)とマックスバリュ中部(愛知県)が19年9月に経営統合、近畿エリアでは20年3月に光洋(大阪府)がダイエー(東京都)の完全子会社となった。九州では、20年9月にイオン九州(福岡県)、マックスバリュ九州(同)、イオンストア九州(同)の3社間で、イオン九州を存続会社とする経営統合が行われている。
中国・四国エリアではより大きな動きがあり、19年3月にマックスバリュ西日本(広島県)がマルナカ(香川県)と山陽マルナカ(岡山県)の2社を完全子会社化するかたちで経営統合。22年3月には、株式交換によりフジ(愛媛県)がマックスバリュ西日本とフジ・リテイリング(愛媛県:フジの事業会社)を束ねる持ち株会社に移行した。今後、24年3月をめどにマックスバリュ西日本がフジと経営統合し、新会社が設立される予定だ。なお、持株会社となったフジの直近決算(23年2月期)では連結売上高は約7800億円となっており、今後の完全統合を経て、新たな大手SM勢力が誕生することになる。
他方、イオンのSM事業会社としては最大手のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都:以下、U.S.M.H)は、傘下にマルエツ(東京都)、カスミ(茨城県)、マックスバリュ関東(東京都)の3社を束ねる。同社のシェアは約3.8%で、単独企業として見ても、業界3番手につける規模を誇る。
セブン&アイはSM業界4番手に
一方のセブン&アイは、
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