「北の快適工房」の商品開発基準は850以上!北の達人コーポ木下勝寿社長インタビュー【前編】

聞き手・構成:松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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消費者のクレームをチェック項目に反映

――品質を追求するうえで重視しているポイントはありますか。

木下 最も重要視しているのはお客さまの「体感」です。モニター調査では、社名も商品名も明かさず商品を使ってもらい、アンケートで70%以上が効果を体感することが発売の最低条件です。これに加え、熱を加えたときや落下した場合の耐久性など、当社独自の850以上のチェック項目をすべてクリアしてようやく発売となります。この項目が年々増えており、開発のハードルが高くなっているのが悩みの種でもあります(笑)

――そこまで多くのチェック項目を設けている理由を教えてください。

木下 当社は取り扱い商品が35アイテムと少ないぶん、1種類の商品を大量に販売する戦略を採っています。たとえば、不具合が出る確率が1万分の1の場合、われわれは100万個販売すると100個の不良品が出ます。多品種少ロットの企業は1万個しかつくらず、クレームは1件しか出ないため見逃される傾向があります。しかし当社は100件クレームが出ますので、その1つ1つに目を向けているため、チェック項目が増え続けているのです。

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聞き手・構成

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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