イオンリテール

2023年度、全事業セグメントで増収、GMS・SM・DSが営業増益

 イオンの2023年度(24年2月期)連結業績は、営業収益9兆5535 億円(前年度比4.8%増)、営業利益2508 億円(同19.6%増)、経常利益2374 億円(同16.6%増)で、いずれも過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益は446 億円(同109.0%増)で、大幅な増益となった。全事業セグメントが増収で、GMS(総合スーパー)、SM(食品スーパー)、DS(ディスカウントストア)の各事業で営業増益だった。

 GMS事業の中核企業イオンリテールは、粗利益額の最大化、SC(ショッピングセンター)の収益改善、デジタル売上拡大、収益構造改革に取り組んだ。粗利益額の最大化では、食品・H&BC(ヘルス&ビューティケア)を中心に成長カテゴリーの売場拡大を進めた。衣料では、ビジュアルマーチャンダイジングを活用した売場環境、オペレーションを包括的に刷新して接客を強化する「専門店モデル」に取り組んだ。住居余暇では、プライベートブランド「ホームコーディ」を一新した。SCの収益改善では、集客策・空床の削減・テナントの一時利用の拡大などに注力した。デジタル売上拡大では、ネットスーパーの規模拡大や、ECのイオンショップやイオンスタイルオンラインで実店舗と連動した「イオン ブラックフライデー」「BUZZTTO SALE(バズっとセール)」などの施策に取り組んだ。収益構造改革では、店舗・本社の経費削減とデジタル活用による生産性改善の両輪で推進した。

 24年度連結業績については、イオングループ中期経営計画(21~25 年度)で掲げた5つの成長戦略(「デジタルシフトの加速と進化」「サプライチェーン発想での独自価値の創造」「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」「イオン生活圏の創造」「アジアシフトの更なる加速」)を加速し、営業収益、営業利益、経常利益で過去最高をめざす。営業収益10兆円(23年度比4.7%増)、営業利益2700億円(同7.6%増)、経常利益2600億円(同9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益460億円(同2.9%増)を見込む。全事業セグメントで増益を計画している。

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