イオンマーケット、品質や提案にこだわった商品展開で“ピーコックらしさ”を追求
「ピーコックストア」を運営するイオンマーケットでは、精肉部門の輸入豚肉としてカナダ産三元豚ブランド「HyLife Pork(ハイライフポーク)」を主力としている。そのため今期の新型コロナウイルスの影響による需要増、調達難の状況下においても「ハイライフポーク」と多様な国産豚の品揃えによって、安定的で独自性の高い品揃えを実現した。
豚肉市場が成長するなかで厚切りステーキや付加価値商品を提案
イオンマーケットの豚肉の品揃えは、2008年から導入した国産の「やまと豚」とそのほかの国産豚が中心。これに輸入豚肉として、4年ほど前に導入を始めた「ハイライフポーク」ブランドが20%弱、東京Xやアグー豚など、そのほかの国産銘柄豚が数%という構成となっている。
イオンマーケット商品本部 畜産商品部長の竹本仁氏は「品質にこだわった商品を、価値にあった価格で提供するという“ピーコックらしさ”を常に意識して、品揃えを調整しています。『ハイライフポーク』については、それまで仕入れていた輸入豚と比較して、肉質や味が国産に近く、品質がしっかりしていることと、一貫生産体制をとっているため供給が安定していること、扱いやすい原料規格など、優れた点が多かったため導入を決めました。価格が安くても“安かろう、悪かろう”という商品は、ピーコックで扱うわけにはいかないと考えています」という。
豚肉がこの数年伸びる傾向にあるなかで、同社では厚切りポークステーキや、抗生物質・合成抗菌剤、遺伝子組替飼料不使用の『ナチュラルポーク』を一部店舗で展開するなど、さまざまな仕掛けを行うことで実績を伸ばしてきた。
しかし今期は新型コロナウイルスの影響で購買動向が変化し、さまざまな対応を迫られることになった。
料理機会の増加というチャンスにきめ細かな提案で対応
「4月頃以降、今まで外食されていたお客さまが家庭で自炊されるケースが増え、生鮮全般が伸びています。なかでも畜産は好調で、豚肉の4月・5月は2割以上伸びました。客数は買物頻度を減らしているせいかダウントレンドですが、買上点数は伸び、ベーシックな商品のまとめ買いが目立ちました。その分、ビジネスパーソンなどが減ったため、都市型店舗ではデリカ部門が苦戦しました。その後、事態が落ち着いてくるにつれ、コロナに関する報道や、気候の変化に合わせて細かい調整が必要でした」(竹本氏)。
商品の調達については、大きな問題は生じなかったが、一時的に売上が急増した時期には、アイテムを絞って加工の効率化を図り、売場の棚が空かないような調整も行ったという。
また、コロナをきっかけに内食が増えたことが、料理の機会増加に着実につながってきていると竹本氏は見ている。夏場はかたまり肉の動きがよかったほか、最近になっても鍋スープの売上が伸びているという。
竹本氏は、「社会の動きが通常に戻ることで、以前と同様、簡便、時短ニーズへの回帰が見られますが、同時にカットのサイズで工夫したり、調味料とのコラボ企画を展開するなど多様なお客さまのニーズに対応していきたい。いずれにしても豚肉は畜産の中でも売上、利益のメーンとなる商品なので、ベーシックな品揃えの充実を図る一方、常にプラスαで何か違う提案を考え、仕掛けていく必要があると考えています」と意気込みを語る。
豚肉マーチャンダイジング の新着記事
-
2020/11/25
コモディイイダ、2月~5月は自粛期間の家庭内需要で2ケタ伸長今期はブロック肉と薄切りを強化 -
2020/11/24
イオンリテールはオペレーション効率化などで価格競争力強化へ!煮込み料理などメニュー提案にも注力 -
2020/11/23
イオンマーケット、品質や提案にこだわった商品展開で“ピーコックらしさ”を追求
この特集の一覧はこちら [3記事]
イオンリテールの記事ランキング
- 2024-09-10GMS売上高ランキング2024 イオン堅調もヨーカドー、ユ ニーは苦戦
- 2024-09-06「ボンベルタ成田」を改装、千葉県初の「そよら」業態
- 2023-12-15顧客と店頭をつなぐ次世代プロモーション「リテールメディア」の強み
- 2024-09-09週刊スーパーマーケットニュース イトーヨーカドー、家庭系廃食用油の回収拠点を拡大
- 2020-10-08マックスバリュ西日本、子会社のマルナカと山陽マルナカを吸収合併
- 2023-12-11イオンの住関品PB「ホームコーディ」が攻勢! 専門人材の投入で開発体制強化へ
- 2021-06-04写真で見る! イオンリテール初のスマートストア 「イオンスタイル川口」
- 2022-04-06集中レジからの脱却方法は3択?U.S.M.H、トライアル、イオンを比較
- 2022-10-04イオンの冷凍食品専門店「@フローズン」の戦略と売場づくりを徹底解説
- 2023-10-12イオンGMS復活の命運を握る「そよら」、非食品復権のカギはあのホームセンター?
関連記事ランキング
- 2024-09-10GMS売上高ランキング2024 イオン堅調もヨーカドー、ユ ニーは苦戦
- 2024-09-18小売店の売り場を徹底的に見える化…「ShareWatcher 」は何がスゴいのか
- 2024-09-06「ボンベルタ成田」を改装、千葉県初の「そよら」業態
- 2024-09-11RTDカテゴリーに新風、食事に合う・本格感のある味わいが魅力
- 2024-09-12日本酒市場、食とのクロスMDを強化し日本酒とのタッチポイント増やす
- 2024-09-25冷凍食品市場、簡便・時短に加え品質の高さで需要拡大
- 2024-09-26パスタ&パスタソース市場、早ゆで、レンジ対応など簡便・時短を訴求した商品が市場をリード
- 2024-10-08世界中でプラントベースフード市場が急成長、この10年で約2.5倍に拡大
- 2023-09-07ロカボ・糖質オフ商品の購入者像を徹底分析!市場拡大のポイントとは?
- 2023-04-26「簡便・時短」から「タイパ」へ 急拡大する「タイムパフォーマンス」志向
関連キーワードの記事を探す
サステナブル商品 小売やメーカーの取り組みが進み生活者の関心も高くなる傾向
店舗サイドから仕掛けるきっかけのひとつとして売場の注目度を高め販売実績向上をめざす
2023年春・夏売上伸長率ヒットランキング!ロングセラーブランドなどのアイテムが上位に
週刊スーパーマーケットニュース イトーヨーカドー、家庭系廃食用油の回収拠点を拡大
週刊スーパーマーケットニュース ライフ、イオン九州、イオン北海道がコンパクト店舗をオープン
GMS売上高ランキング2024 イオン堅調もヨーカドー、ユ ニーは苦戦
イオン、防災用品をお盆前に拡充 広がる「備えない防災」商品とは?