北海道未来学2
2024年4月から7月に小樽商科大学で開講された「第2期 北海道未来学」を書籍化。起業、経営、地方創生などをテーマに、各界の第一線で活躍する13人の講義を収録。北海道、ひいては日本の未来を拓く一助となるだけでなく、先の見えない時代を生きるための「指針」ともなる示唆に富んだ内容となっている。
本書の内容
第1章 北海道の未来を創るWELL-BEING
島田由香
一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事、
アステリア株式会社 CWO(Chief Well-being Officer)
イノベーションとウェルビーイング/自分に意識を向ける/「自分の強み」をヒアリングする/ウェルビーイング=よい状態/PERMAを意識しながら1日を過ごす/「よし、たかい」で肯定脳をつくる/「学習性楽観主義」で歩んでいこう
第2章 事業変革 イノベーションのリアリティ
原 一将
株式会社マクニカ 代表取締役社長
年商1兆円の「技術を売る商社」/予測ができないVUCAの時代/テクノロジーは指数関数的に変化していく/環境変化に素早く対応した種のみが生き残る/「モノ」から「コト」へ事業領域を拡大/サービス・ソリューションへのチャレンジ/地方都市にこそイノベーションが必要
第3章 選択できる未来をつくる
松岡陽子
パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員 Panasonic Well本部長、
Yohana株式会社 創業者 CEO
テニス留学から研究者の道へ/プレゼンは「演技をしているつもりで」/「人を助けたい」情熱をモチベーションに/「点」がつながって今に役に立つ/AIとどう向き合っていけばいいか/パッションを追い求めるとミッションになる/まずは「やりたいこと」を見つける/人生にパーフェクトタイムはない/「ちゃんと失敗してよかったね」と自分を褒める
第4章 コンセプトのつくりかた
高木新平
株式会社ニューピース CEO
言葉はすべての起点になる/コンセプトとは「価値の羅針盤」/コンセプトからストーリーが始まる/「幸福県」なのに幸福実感がない/幸福実感の低い地域に予算を当てる/唯一無二の地形を活かす/地方発のビジネスモデルを全国展開する/希望は漠然とした未来ではなく「ING」/「価値の羅針盤」のとらえ直しで会社は変わる/言葉によって現実を書き換える
第5章 絶望を希望に変える経営学
岩尾俊兵
慶應義塾大学商学部 准教授
「えも言われぬ苦しさ」からの脱却/みんなが儲かる状態をつくる/「対立」から「仲間同士」へ/現実的なのは価値無限思考/すべての人が価値創造に貢献する経営/インフレ下の経営とデフレ下の経営/「価値創造」と「価値奪い合い」のパラダイム/価値創造のための三種の神器/「人生の経営者」という意識を持つ
第6章 マインドシェアを獲得する日清食品のブランディングと未来の食「完全メシ」プロジェクト
安藤徳隆
日清食品株式会社 代表取締役社長
消費者のマインドシェアを上げる/現代アートに近い感覚でCMをつくる/食堂も名刺も社史も自社らしく表現/「栄養と健康」に関連する3つの社会問題/「栄養最適化テクノロジー」による「完全メシ」の開発/さまざまなブランドと協業/被災地での炊き出しを「完全メシ」で行う/「ジャンクなのに最高にヘルシー」を目指す
第7章 スタートアップ
五十嵐北斗
株式会社HOKUTO 代表取締役会長
成功する起業家はすぐに起業する/10年間飽きずに取り組める領域は何か/残金50万円で市場調査の旅に出る/成功をつかむための3つの要素
第8章 面白く生きたい人への一つの考え方
入山章栄
早稲田大学ビジネススクール 教授
これからの100年をどう生きるか/「ボーン・グローバル」の時代/グローバルに活躍するための4つの共通言語/大事なことは非常に狭い世界で決まっている/ビジョンにこだわる必要はない/「ビジョン型の人」と「バリュー型の人」/「勘」で決める能力を磨く/「決める能力」を高めよう
第9章 第二創業で目指す経営
堂前宣夫
株式会社良品計画 取締役会長
「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献/商売を通じて社会を豊かに/商品づくりの4つの軸/地域の課題解決が店舗経営の原動力/コミュニティセンターになることを目指す/資源循環型、自然共生型の社会を実現/「公益人本主義経営」の実践/お店の状態を肌感覚で判断する/生活者と企業の境目がなくなる社会
第10章 すべてはビジョンから始まる
中川政七
株式会社中川政七商店 十三代代表取締役会長
江戸中期に高級麻織物の問屋として創業/日本の工芸を元気にする!/「赤字企業の再生屋」を始める/ブランディングはコンテンツとコミュニケーション/エリアブランディングが陥りがちな3つの罠/ビジョンができると何が変わるか/「ライフスタンス」に対する信頼の時代/ビジョンを事業に落とし込む
第11章 なりゆきの未来から意志ある未来へ
阿部裕志
株式会社風と土と 代表取締役
海士町という離島で起業/人と人、人と自然のつながりを見直したい/信頼に基づく「共創の力」を信じる/共感を基にしたビジネスのほうが儲かる/課題先進地を「課題解決先進地」に変える/都会をまねるのではなく「あるもの」を磨く/「島流し」の島に800人が移住してきた/「新プロジェクトX」に取り上げられた島の挑戦/「ない」と見るか、「ある」と見るか
第12章 小樽商科大学生へ3つのルール 地域産業創出
林 千晶
株式会社Q0 代表取締役社長
自分の価値観に合う国を探そう/周囲の評価に縛られず、自分の道を選ぶ/苦しくても、自分の信じる道を進む/若さは力である/日々の生活の中に取り組むべきテーマがある/世界を訪ねて現場を体感する/やりたいことを大胆に描く/100%国産の木を使ったビジネス
第13章 事業開発としての地方創生
塩野 誠
株式会社IGPIグループ 共同経営者 CLO、
株式会社経営共創基盤 取締役マネージングディレクター
新しいビジネスで地方を再生する/世界は簡単に変わってしまう/19歳で興した会社が10年で時価総額1.2兆円に/値付け・集中・スピードで勝負する/勝てるアイデアを出す/客は「価値」にお金を払う/「そこにしかないもの」で地方を創生する/北海道の可能性とコープさっぽろの役割
書籍情報
監修 国立大学法人北海道国立大学機講 小樽商科大学 コープさっぽろ寄付講座運営委員会
発行日 2025年4月22日
価格 1980円(1800円+税)
ページ数 288ページ
ISBN 978-4478090978