クリエイティブでも実践!メルカリ流の生成AI活用術

ダイヤモンド・リテイルメディア:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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生成AIによる動画広告、ハロウィンで反響

──石川さんご自身で、生成AIに自分の仕事をサポートさせるような使い方はされていますか。

石川 よく使っている。簡単なところで言えば、僕らグローバルの会社なので結構海外の方も入って、日本語と英語が混在した環境で仕事をしていて、場合によってはコミュニケーションもチャットで日本語と英語の両方で書いた方がいいシーンも多い。

 ただ、これを毎回、やっていくのは大変だから、自分でコマンドを作ってチャット欄に日本語を入れて打ち込むと裏側で翻訳をしてくれて、日本語をエンターしたら英語、英語をエンターしたら日本語、がそれぞれアウトプットとして出てくるという翻訳の仕組みを作って、使っている。

──御社ではクリエイティブへの活用というところで、生成AIを活用して動画や画像をつくられています。実際体験してみて手応えとしてはどうでしたか。

石川 我々のチームの採用に生成AIを使ってクリエイティブを作って募集をかけたり、キャンペーンなどいわゆるデジタル広告の製作に生成AIを使ったり、そういった試みを繰り返している。

 ハロウィンのタイミングでは、ハロウィンをテーマに生成AIで作った動画広告を渋谷のスクランブル交差点で流した。リーガル的な観点を整理したうえで実施し、一定の反響を得たと思う。

 これからも生成AIを使って、より深いクリエイティブをつくっていきたい。

従業員の生産性を劇的に高める

──流通業関係者が生成AIの活用に関して、まず第1歩踏み出してみようとなったとき、どのあたりからアプローチをするのがよいでしょう。

石川 ChatGPTはまず一番に試してみる価値があると思う。どんなものなのかを勉強するより、とにかく自分で触ってみること、体験してみることが大きい。

 私が活用しているような翻訳は、日常的にニーズがある人には便利かもしれないし、使うモデルによっては満足できないというものもある。

 1回でも触ったことがあるのか、まったくないのか。使い続けてなくてもいいので、1回でも触ったことがあるっていうことが、今の段階では大事なのではないか。

──最後に今後の展望、意気込みをお聞かせください。

石川 我々の取組としては、何よりもこの領域でさまざまなことをやりきるというように考えている。

 ミッションにもある生成AI/LLMを活用して事業の価値を最大化させるということと、全社でいま2200人ぐらい従業員がいるが、その従業員の生産性を劇的に高めるという、この2つのミッションを、いろいろな試行を探りながら達成していきたい。

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ダイヤモンド・リテイルメディア

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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