第3回 店舗スタッフにデジタル武器を!Human Touch Technology STAFF STARTの可能性

顧客時間 共同CEO:奥谷 孝司
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現場を活気づけるITサービス

 STAFF STARTは、店舗に所属するスタッフが自社通販サイトやSNS上でのオンライン接客を可能にするStaffTech(スタッフテック)サービスだ。サービスリリースから5年で1,600以上のブランドに利用されており、2020年の流通総額は前年比2.75倍の約1,104億円を達成するなど急成長を遂げている。会社概要にも「店舗スタッフをDX化し、店舗と、EC、ブランドと顧客をつなぐStaffTech(スタッフテック)サービス」と記されている。

スタッフスタートの概念図
図2:スタッフスタートの概念図

 彼らのサービス概要を示すこの図をみてもらいたい。よくSTAFF STARTは店舗スタッフがECサイト上で顧客にアイテムのコーディネートを提案でき、商品をおすすめすることができる購入促進ツールとして紹介される。それ自体は間違いではないが、さらに多くの機能があることをご存知だろうか?実際に彼らは販売スタッフのあらゆる業務をオンライン業務へとDX化することを志向し、オンラインでの貢献度を可視化することにより、個⼈評価と店舗評価までをワンストップで実施できることが可能なのだ。

 STAFF STARTを活用した投稿から、評価までの流れを見ると、この機能がいかに店舗スタッフのデジタル武装化につながり、テクノロジー嫌悪主義(Technophobic Culture)」を乗り越え、お客様、店舗スタッフ、企業との信頼関係作りに寄与しているかがわかる。というのも、各店舗スタッフがSTAFF STARTアプリを使ってコーディネートを投稿すると、それらが全国から集まりECサイトに掲載され、その投稿の結果EC売上にどのように貢献したのかが、管理画面から可視化され、それに基づき小売業は売上貢献に応じた評価や報酬を支払うという仕組みなのだ。実際に導入企業がこの評価制度を活用しているのか筆者は知らないが、まさに三方良しの発想で構築されたテクノロジーであり、現代のオムニチャネル化するお客様とつながる最高のツールであるといえるのではないだろうか?

 さらにSTAFF STARTには投稿機能だけでなく、スタッフの商品レビュー投稿機能、スタッフが特集ページを作る機能に加えて動画機能や、バイヤーが店頭スタッフの意見を取り入れ商品開発や販売に活かせる機能、店舗で接客したお客様にECサイトの商品QRコードを渡し、ネットでの購買を促す機能まである。さらにLINEとの連携も発表し、今秋から新サービス「LINE STAFF START」が始まる。国内⽉間約 8,900万⼈(2021年6⽉時点)が利⽤するLINEを活用することで、お客様とスタッフがオンラインやリアルでシームレスにつながり、1⼈ひとりに合わせたダイレクトなコミュニケーションが可能となる。まさに個客とつながることを店舗スタッフが実現できるのだ。

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