鮮魚市場とスーパーが直接取引できるスマホアプリを知っているか?

兵藤雄之
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中央市場では手に入らない魚種をリアルタイムに注文できる!

 直接取引というと、とかくコストの安さに関心が向くが、みらいマルシェの場合は違う。

 「仕入れ値段だけでいったら、最寄りの中央市場で仕入れたほうが安くすむこともある。中央市場で手に入らない、手に入れづらい魚種でも、浜からの直接の情報で、リアルタイムに注文できるというのが最大のメリットではないか」(同)

 ユーザーであるスーパーマーケットからも、「手に入らなかった魚が手に入る」、「産地との結びつきを強めていきたいと考えていたが、人も手段もないし、やりかたもわからない。それが簡単にできるようになった」といった声が届いているという。

 だが、鮮度が勝負の世界であり、仲買、スーパーマーケット、場を提供するみらいマルシェの間で、相互の信頼関係が構築できなければ機能しにくい。

 「いまは、仲買さん、スーパーマーケットのバイヤーさんと直接会って、この仕組みの主旨を理解していただき、お互いに『やってみよう』となったところと取引を始めている」(同)

 みらいマルシェで出荷しているある仲買は

「これこそ、究極の産直じゃないかな。本当に獲れたてのものが、直接産地から届くというのが、大メリットだと思うよ」と話している。

 みらいマルシェには、お互いにメッセージをやり取りできる機能も備わっている。必要なときに、リアルタイムでやり取りができるわけだ。

 「アプリでの情報確認、メッセージのやり取り、それから、相互の信頼関係が深まるにつれ、電話での直接のコミュニケーションも重要になる。鮮魚の場合、すべての情報をデジタルだけで済ますのは難しい。微妙なニュアンスや、浜の活況を伝えるには、やはり直電。デジタルとアナログのハイブリッドで使いこなすユーザーが増えている」

 「みらいマルシェ」がリリースされたのは約2年半前。本格的な営業開拓はこれからだというが、このアプリを利用する、産地の仲買、スーパーマーケットともに、着実に増えている。

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