あのイズミも導入した!  カート型セルフレジとは

2019/04/01 05:00
兵藤雄之

人手不足を背景に、「無人店舗」「省力化店舗」に関する技術への注目度が高まっている。前回は日本電気(NEC)の無人店舗の取り組みをレポートした。第2回目の今回は、POSシステム大手の東芝テックが提案する省力化技術を見ていこう(本稿は2019358日に開催された、第35回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2019」の展示をレポートしたものです)。

「ピピットカート」に

人だかり!

 「リテールテックJAPAN 2019」で、東芝テックが大きなスペースを割いて展示していたのが、カート型セルフレジの「ピピットカート」だ。20191月に「イズミゆめタウン廿日市」(広島県廿日市市)に導入したばかりとあって、会場は多くの人で賑わっていた。

東芝テックが提供するカート型セルフレジ「ピピットカート」
東芝テックが提供するカート型セルフレジ「ピピットカート」

 ピピットカートは、ショッピングカートにバーコードスキャナ、タブレット、大容量バッテリーを搭載したもの(オプションで、磁気カードリーダも設置できる)。

 イズミが導入したシステムの場合、来店客は、まずポイントカードでログインし、店内をカートで移動しながら付属のスキャナで商品のバーコードをその都度、読み取り、カートの中へ入れていく。商品を追加する度に、その時点での商品の合計金額が表示される。いったんカートに入れた商品でも、取り消しボタンにより、簡単にクリアすることができる。

 生鮮食品のようにバーコードが付けられない商品の場合は、タブレットに事前に登録された画面から、対応するボタンを押して入力する。

 支払いの際は、レジを通ることなく、そのまま専用の会計機に直行し精算する。また支払機能つきの専用アプリと連動させれば、会計機で支払いをすることなく、スマホ決済が可能になる。

 このピピットカートはレジ業務を効率化するだけではない。タブレットの画面上に販促チラシを表示することもできるし、購買パターンに合わせてお買い得情報を流したり、メニュー提案をすることも可能だ。メーカーやサプライヤーと協業し、関連購買を促進する販促を打つこともできる。

 従来の販促との違いは、ポイントカードによる個人認証を済ませているため、より個人を特定した(パーソナライズした)販促内容を提案できる点だ。

 将来的には、屋内用のGPSとも呼ばれる「iBeacon」を活用し、「いま店内のどこにいるのか」を店内レイアウト図上に表示したり、これまでの購入パターンから、よく購入している商品の棚付近に来たときにピンポイントで割引クーポンを発行することも可能になるという。

“うっかりミス”を

見逃さない!

 同社のピピットカートに限らず、カート型セルフレジの場合、「性善説」が前提にある。「カートに入れた商品を、顧客が意図的にスキャンしない」ということはない、という考え方に立っているのである。

 しかし、母親が知らないうちに子どもがカートに勝手に商品を入れてしまったり、買い物途中で知り合いと話し込んでしまいスキャンをし忘れるといったことは日常的に起こりうることだ。

 こうした場合のスキャン漏れを防ぐため、東芝テックでは2種類のアプローチから対応策を検討している。

 ひとつが重量センサーの導入。カート内の商品の重量と、スキャナで読み込まれた商品の総重量とを常に比較し、違いが生じれば、タブレット上にアラートが表示されるようにするというものだ。

 もうひとつが、タブレットに内蔵したカメラで、カート内の商品の置かれ具合を画像認識、商品を登録するごとにその変化を追跡していくことで、異常がないかを検知するというもの。たとえば、商品の追加スキャンがないにもかかわらず、カート内の形状が変化していれば、異常を検知してアラートで知らせる。

 これらは防犯の意味合いだけでなく、顧客が“うっかりミス”を気にせず買物ができるメリットもある。

 

 なお、東芝テックも、画像認識や行動解析AIを活用した無人店舗の開発に取り組んでいる。

 今回は参考出展のため展示スペースも狭く、外見上もとても店と呼べるレベルではなかったが、STEP1「入り口でQRコードを認証」⇒STEP2「商品を手に取ると、自動でスマートフォンのカートに追加」⇒STEP3「お店を出ると自動決済」という、3STEPで購買体験ができる“レジレス決済”を訴求していた。

参考出展として「レジレス決済」も展示していた
参考出展として「レジレス決済」も展示していた

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