オンラインとオフラインを融合し
NECの考える“Smart Retail CX”の世界観を訴求
リテールテックJAPAN2021開催レポート

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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東京ビックサイト(東京・有明)で3月9日~12日に開催された「リテールテックJAPAN2021」において、NECは展示会の新形態としてオンライン展示を主軸にオフライン展示と組み合わせた新たな形で最先端のソリューションを展示。NEC が目指す次世代のリテールビジョン「Smart Retail CX」の世界観を訴求した。

NECブース外観

展示コンセプト~Smart Retail CX~

NECブース外観 今回のNECブースは「Smart Retail CX」と題した小売業の将来像を強く訴求し、コンセプトだけでなくお客様に実際に体感いただける場も用意されていた。NECの担当者に話を聞いてみると今回の展示に込める思いは以下の通りだった。
 「リテールビジネスを取り巻く環境は従来から変化が激しかったが、新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)の拡大によりNew Normalへの対応などが追加され、あるべき姿を描くのがより難しくなっている。その中でNECは、非対面、非接触という新たなニーズを踏まえた快適で心地よい購買体験の実現と、より高度で効率的な店舗運営による持続可能な店舗づくりを支える「Smart Retail CX」というコンセプトを打ち出している。そのコンセプトを具体的に理解いただくべく、最新の取り組みや小売業のあるべき姿を様々な手法で表現した。

オフライン展示

 今回オフライン展示では大きなスペースを確保し、多様化する顧客ニーズに合わせて快適で心地よい購買体験を実現するために様々な購買シーンを訴求していた。

オフライン展示 その中で注目を浴びていたのは、コロナ禍でニーズが高まりつつある『セルフスキャンショッピング』の展示だ。New Normalにおける消費者の購買行動の変化に対応するために、消費者自身のスマートフォンを使ったレジアプリである。このソリューションは、消費者が自身のスマートフォンで入店後に「商品登録」から「お支払い」まで実施しそのまま退店できる。レジ待ちが解消できることに加え、非対面・非接触でお買い物ができるソリューションである。同時に、従業員の人手不足解消にも貢献可能なレジレスソリューションの一つとして紹介された。

 その他にも、マルチデバイスに対応可能なレジアプリとして「多様なチェックアウトを実現する次世代POSアプリ(NeoSarf/POS)」や「画面に触らず操作できるセルフレジ」、世界No.1の生体認証技術を組み合わせた「顔・虹彩マルチモーダル生体認証によるタッチレス決済」などを実際に触れて、体感する仕掛けとなっていた。

オンライン展示

 オンライン展示では、Smart Retail CXのコンセプトを実現するためのソリューションがウェビナー形式とデジタル展示形式で20個紹介されていた。それらに加え、NECが社内で運営しているレジレス型店舗「NEC SMART STORE」について、New Normalへの対応方法や1年間運用して分かったことなどを紹介。
 さらに、未来体験デジタルコンテンツとしてデジタルならではの新しいコンテンツを展開した。アドベンチャー体験を通じ、ゲーム感覚で未来のリテールを疑似体験できるといったものだ。そこでは、このリテールテックに出展されているソリューションがいくつか登場し、ストーリーの中で体感できる。

NeoSarf/DMの特長
※クリックして拡大

 その中で注目を浴びていたのは、「ネットとリアルを融合するECソリューション(NeoSarf/DM)」である。このソリューションはECをはじめ、店舗やコールセンターといった各販売チャネルの情報を一元管理し、様々な接客シーンで活用できるソリューションである。COVID-19の影響で急速にニーズが拡大しているオンラインを活用した購買体験やOMO(Online Merges with Offline)を実現するために必要となる顧客の統合などにも対応可能と訴求。さらに、多くの導入実績からNECのノウハウを結集して、市場の変化に柔軟に対応できるシステムであることも強調していた。

 その他にも、体表温測定と密の見える化を行う「感染症対策ソリューション」や「発注時間短縮・廃棄ロス低減を支援するAI需要予測」、「映像クラウドサービスで効率的な店舗 運営」などSmart Retail CXが訴えるあるべき小売業の世界観を実現するソリューションが出展されていた。

まとめ

 NECは、小売業が直面する労働力不足やICT環境の進化、COVID-19の感染拡大による消費者の購買行動の変化に柔軟かつスピーディーに対応するために、「Smart Retail CX」というコンセプトを掲げて、様々なソリューションを展開していた。また、単なるソリューションの展示ではなくNECが考える新たな小売業の在り方を示し、コンセプト策定からソリューションの提供までをトータルにサポートできる実力があると感じた。

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