狙いは広告収入じゃない!?電通とタッグで進める、トライアルのリテールメディア 戦略とは

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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リテールメディアバナー

「スマートショッピングカート」や「リテールAIカメラ」といった最新技術をフル導入した「スマートストア」の展開、AIの積極活用、それらを含めた「リテールDX戦略」──と「IT×小売」の領域では絶大な存在感を誇るトライアルカンパニー(福岡県/石橋亮太社長)。同社では、「リテールメディア」という言葉が注目されるようになる以前から、広告事業に取り組んできた。トライアルが仕掛けるリテールメディアとはどのようなものなのか。

スマートストアが約90店舗に!

 福岡県に本部を置き、九州、中国から北海道まで全国に店舗展開するトライアル。食品から非食品まで圧倒的な品揃えを誇る、売場面積1500坪前後のスーパーセンター業態を主力に出店を続け、最新期の売上高は6000億円に迫る。

 同社は1980年代の創業期から「ITと小売業・流通業を融合させ、お客様の役に立つ」というビジョンを掲げ、デジタル技術の活用に取り組んできた経緯がある。近年は、お客が商品を自らスキャンし、専用レーンを通過するだけで決済が完了する「スマートショッピングカート」、売場天井部に備え付けたカメラでお客や商品の動きを把握しAIを用いて分析する「リテールAIカメラ」、メーカーとの協業により効果的な商品提案を行う「デジタルサイネージ」などを導入し、新たな購買体験を創出する「スマートストア」の展開に力を入れており、272店舗中(2022年8月末時点)の約90店舗がスマートストアとして営業する。

 近年はスマートストアの外販事業も手がけており、すでに数社の小売業にトライアルグループが開発したスマートショッピングカートを納入している。また、直近では、銀行口座から直接オンラインでチャージできるオリジナルスマホ決済アプリ「SU-PAY(スーペイ)」を22年9月にリリース。従来の「LINE公式アカウント」に加えて、アプリでの顧客接点を増やしている。

Retail AIの永田洋幸社長
Retail AIの永田洋幸社長

 「スマートショッピングカートにデジタルサイネージ、そして今回リリースしたSU-PAYと、トライアルとして3つのメディアをフォローできるようになった」

 そう話すのは、Retail AI(東京都)の永田洋幸社長だ。トライアルカンパニーと並んでトライアルグループの中核をなすRetail AIでは、「スマートショッピングカート」「リテールAIカメラ」といったITソリューションの開発・導入支援などを手がけており、リテールメディア事業において中核的な存在となっている。

 にわかに注目を集めるようになったリテールメディアについて、永田氏は

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