主食や主菜の座に躍り出た冷凍食品 おいしさで選ばれる冷凍めん、炒飯、餃子がリード

冷凍食品ジャーナリスト 山本純子
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「冷凍」が優れた機能として正しく認識される年に

 さて余談だが、連日報道されている新型コロナウイルスワクチンの話。各地の接種状況がニュースになる中で、ワクチンは超低温の温度管理で米国から輸送後マイナス20℃前後の温度で地域保管、その後2~8℃で5日間のうちに使用といった話が出てくる。「冷凍」は品質安定に欠かせない要素であり、フローズン・チルドで流通・消費する、ということが当たり前に受け入れられている。低温のコールドチェーンが保管庫の不具合で途切れて9℃以上になり、貴重なワクチンが廃棄されたという問題も出ている。国民の大多数がコロナワクチン接種を切望しており、誰も「冷凍したものなど信用できない」とは言わない。

 「冷凍」に関する似たような違和感は、以前から「お取り寄せ」についてもあった。「冷凍食品なんて使わない」と断言する人も、北海道の毛ガニの「とれたて浜茹での新鮮さをそのまま、冷凍便で」、「有名パティシエの限定スイーツ(冷凍)」という文言を素直に受け入れる。つまり、低単価商品の「冷凍」には信頼感を抱けず、高付加価値品の「冷凍」には納得する。なんとも非論理的思考がまかり通って久しかったのだが、そんな時代もどうやら終わりに近づいているようだ。

山本純子責任編集、冷凍食品専門情報サイトは「エフエフプレス」(https://frozenfoodpress.com/)

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