SCANDIT 独自の技術で高速・高精度なスキャンを実現 日本ではイオリテール、オーケーでの導入・活用がスタート

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小売業界ではコロナ禍のニューノーマルが広がる中、顧客にとってレジ待ちの解消や非接触・非対面での決済が重要視されている。しかし、店員に代わって顧客が自らバーコードをスキャンして決済するという作業がストレスになる可能性もある。その原因は、スキャンエンジンの性能が低いため、商品に印刷されたバーコードを読み取れなかったり、読み取りに時間がかかったりすることなどである。スキャンディットの「Barcode Scanner SDK」ならば、機械学習や独自のデータキャプチャ技術により高速かつ高精度な1次元・2次元バーコードの読み取りが可能だ。「人為的なミスを除けば、ほぼ100%の読み取り精度を実現している」と日本事業の責任者である関根正浩氏は、自社テクノロジーの強みを語る。

レジレスや業務の効率化を高度なスキャン技術で実現

 スキャンディット(Scandit)はスイス・チューリッヒに本社を置くIT企業。バーコード読み取りや文字認識、物体認識、拡張現実(AR)を組み合わせた独自のデータキャプチャ・プラットフォームを開発。スマホやタブレット、ドローン、ウェアラブルデバイスなどカメラ搭載の端末用のアプリにその技術を提供している。日本では2020年11月にスキャンディット合同会社を設立し、日本での市場開拓を開始した。日本の流通分野ではすでにイオンリテールの「レジに並ばない」「レジ待ち時間なし」の買物スタイルを実現する「レジゴー」に搭載されているほか、オーケーもネットスーパーのピッキングや値札管理等の店舗オペレーション業務を効率化するために採用している。その他にもヤマト運輸が配達業務の効率化を図るために導入している。

 先行している欧米では、スキャンディットの高速・高精度な読み取り技術が評価され、小売業、製造業、物流・運輸、ヘルスケアなど幅広い業種で採用企業が増えている。小売業ではデンマークやスイスのコープなどの欧米の小売大手に加え、米国の二大買物代行サービスであるインスタカートとシプトがスキャンディットを採用するなど世界各国で1000社以上の導入実績がある。

スキャンディット合同会社 日本事業責任者 関根正浩氏
スキャンディット合同会社 日本事業責任者 関根 正浩 氏

 関根氏は「欧米ではTCO(総保有コスト)を下げるために、ハンディターミナルなどコストのかかる専用スキャナーからスマホに乗り換えることが、後戻りできない潮流となっている。日本の小売業では、同様のTCO削減要件に加えて、人手不足や業務効率化の課題をDX(デジタルトランスフォーメーション)で解決しなければならないことが背景となり、またレジ待ち解消による買い物体験向上のためのレジレス化も後押しし、スキャンディットに関心が集まっている」と語り、今後の日本市場での導入企業数拡大を確信している。

汚れや折れ曲がりなど読み取り難読バーコードに威力発揮

 イオンリテールの「レジゴー」に採用されたスキャンディットの「Barcode Scanner SDK」の特徴は、機械学習と独自データキャプチャ技術による高速で高精度な読み取り機能にある。「スマホの機種の制約がなく、スマホカメラのピントが合っていないケースでも高い確率で読み取ることを可能とするなど、難読バーコードに対応できる」のが強みだ。「それを実現している数多くの技術のうちのひとつを説明すると、スマホを1回かざしている間に、1度だけ読み取るのではなく何度も読み取って、たとえば10回のうち7回が同じ読み取り結果なら、その結果を採用するといった設定ができるので読み取り精度が高くなる」(関根氏)と、機械学習のアルゴリズムを組み込んでいるためだ。

Barcode Scanner SDK
専用端末に匹敵する高速かつ高精度のスキャン性能が特長

 商品に貼付されたり印刷されたバーコードの中には汚れていたり、折れ曲がっていたりといったようにスキャナーをかざしても読み取りにくいケースがある。その場合でも機械学習の効果で確実に読み取ることを可能にしている。「すでに導入した企業では、人為的なミスを除けば読み取り精度が100%という評価を得ている」と関根氏は語る。しかも商品にスマホをかざすだけで、商品のバーコードの位置を自動的に認識して補足。さらにARの機能により、バーコードを読み取ることで原材料や機能など商品の詳細な説明をポップアップで表示することも可能だ。

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