イオンとニトリに影響出るか?オカドとオートストアの訴訟合戦の内幕とは

太田美和子(リテイルライター)
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オカドのECのフルフィルメント施設
オカドとオートストアの開発技術を巡る訴訟合戦はまだ出口が見えない

 オカド(Ocado)とオートストア(Auto Store)──。ともにECのフルフィルメント施設を自動化するロボットを開発・販売する。両社の開発技術を巡る訴訟合戦が泥沼化の様相を呈してきた。

 英国が本社のオカドとはイオン(千葉県)が提携。ノルウェー本社のオートストアにはソフトバンクグループ(東京都)が出資するほか、ニトリホールディングス(北海道)が同社の仕組みを導入するなどしている。このように日本にも関わりのある企業が多いため、度重なる訴訟合戦の動向に注目されている方は少なくないと思うが、ここであらためてこれまでの流れを振り返ってみる。

 2020年10月、オートストアが、同社の特許をオカドに侵害されたと英国のイングランド・ウェールズ高等裁判所と米国の国際貿易委員会およびバージニア州東部地区地方裁判所に提訴した。ちなみに、国際貿易委員会で特許侵害と認定されると、対象製品を米国に持ち込むことができなくなる。

 さらに翌月、オカドが特許を持つロボットの動作制御に関わる仕組みはオートストアが発明したものであり、特許権は自社に帰属すると英国知的財産庁に申し立てた。

 1996年創業のオートストアは、倉庫内の作業を自動化する仕組みを同年に開発し国内外の企業に販売を開始した。日本の「ニトリ」を含め、これまでに世界中の30カ国・500カ所以上の倉庫に同社の仕組みが導入されている。オカドもかつてそのクライアントの1社であった。2012年、

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