コロナ収束で明暗、伸びる業態と縮む業態、寡占化する業態は?小売業、市場占有率2023
変化に強いCVS、市場規模がV字回復
前年度と比べて大きく市場規模が伸長した代表的な業態が、通信販売、DgS、CVSだ。
通信販売は、21年度の市場規模が対前年度比7.8%増の11兆4600億円。コロナ感染拡大直後の20年度の伸び率(同20.1%増)と比較して落ち着いたものの、高い成長率で推移している。ただ、コロナ禍でEC化はいっそう進んではいるものの、上位10社による寡占化率は同0.2ポイント増の38.1%と微増にとどまる。今後も中小含めてさまざまなプレーヤーがECに参入し、成長を後押ししていきそうだ。
DgSも21年度の市場規模が同6.3%増の8兆5408億円となり、直近5年で最も高い伸び率を示した。最大手ウエルシアホールディングス(東京都)は売上高が1兆円を超えるなど、上位企業を中心に積極出店により勢力を急速に拡大している。詳しくは後述するが、近年集客を目的にDgS各社が扱いを強化している生鮮を含む食品の販売額も多く伸びており、食品小売業界における存在感を高めている。
コロナ禍での低迷から見事なV字回復を見せたのがCVSだ。22年度の市場規模は11兆1775 億円で同3.7%増加。コロナ感染拡大直後には、オフィス街や観光地立地の店舗の利用が大きく落ち込んだが、コロナ前の19年度(11 兆 1608 億円)を超えるまでに回復を果たしている。
既存店の稼ぐ力とも言われる平均日販も回復し、「セブン-イレブン」「ファミリーマート」は19年度の数値を超えている。人流が回復したことも要因だが、有名専門店とのコラボレーションによる商品開発や冷凍食品の販売強化など、消費動向の変化や消費者ニーズを巧みにとらえて、需要を取り込んでいる。
同じく復調を見せたのが百貨店だ。22年度の市場規模は同12.7%増の4兆9812億円だった。19年度比では86.5%と完全復活には遠いが、消費者の外出機会の増加やインバウンド売上などにより回復の兆しがみえている。一方で中小百貨店は苦境に立たされ、上位5社のシェアは同7.4pt増の72.3%と7割を超えるまでになっている。
市場占有率2023 の新着記事
-
2023/04/29
コロナ収束で2022年は微減、デリバリー市場の推移と展望とは -
2023/04/29
再編を呼ぶ2つの要因 松岡真宏氏が読み通す、小売業界再編と取るべき戦略 -
2023/04/28
食品小売45兆円市場、寡占化&シェア率ランキング ドラッグ急拡大! -
2023/04/28
節約志向と商品進化で1兆円間近!100円ショップ市場占有率2023 -
2023/04/28
日本アクセスが首位に!日本の食品卸市場規模と有力各社シェア率ランキングは? -
2023/04/28
コロナを経て再び拡大基調へ!総菜専門店の市場規模&市場占有率2023
この特集の一覧はこちら [17記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-04ヤオコー、バロー、サミットで明暗 3月期主要SM24年度上期決算
- 2024-12-11強敵が次々商圏に出店!平和堂の戦略と新たなモデル店の成果とは
- 2024-12-12関西を攻めるバロー!大阪で あえて 激戦区に出店した理由とは?
- 2024-12-10EDLPと独自化で対峙!自信あり、ライフの関西オーケー対策
- 2024-12-12「オーケー」後の関西 イオンリテールがねらう都市型SCそよらで脱同質化
- 2024-12-13地域密着のEDLP フォーマットで迎え撃つ、関西地場中堅小売の戦略
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-29相場高に負けない!青果部門、2025年春の売場づくり、販促提案!
- 2024-12-07イオン九州の戦略小型店、80坪のマックスバリュエクスプレス下呉服町店を徹底解説!
- 2020-03-30彷徨うコンビニその7 山崎製パンがデイリーヤマザキを手放せない事情
関連キーワードの記事を探す
コンビニ業界、上位企業シェア率ランキング2022、2023!
週刊コンビニエンスニュース ローソン、「アートトイレ」のデザイン公募を開始
【特別編集版】総売上2年連続増加!日本の小売業1000社ランキング2024
クスリのアオキ四国進出!買収SMフル活用し生鮮すべて直営の凄み
1800人調査で判明!フード&ドラッグでの食品の買い方、満足度の驚くべき実態
市場規模拡大、寡占化進行!小売業12業態、最新市場規模&占有率2024