アークランズ、ロピアと業務提携 食品スーパーのFC事業を開始

ダイヤモンド・ホームセンター編集部
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アークランズ(新潟県/坂本晴彦社長)は2024年12月13日に、食品スーパー(SM)「ロピア」を運営するロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)と業務提携を締結したと発表した。両社の食品事業拡大を目的に、フランチャイズチェーン(FC)加盟契約を締結し、アークランズがロピアFC店舗を出店していく方針だ。

ロピアFC店を3年で10店舗に

 アークランズとロピアの業務提携の内容は次のとおりだ。

 ロピアをフランチャイザー、アークランズをフランチャイジーとするFC加盟契約を締結。アークランズはロピアから営業指導やオリジナル商品の提供を受ける。2025年春に新潟県内にアークランズ運営のロピア1号店をオープンする予定だ。その後、3年間で新潟県、富山県、石川県の3県に10店舗の出店を計画し、10年後には売上高1000億円をめざす。

 一方、ロピアは現在、アークランズが展開するホームセンター(HC)「ムサシ」「ビバホーム」内に計5店舗を出店している。今後、アークランズが新規出店する大型HC内への出店優先権を獲得し、店舗網の拡大を図る。

ロピアとアークランズ、食品事業拡大に向け提携
(画像)ロピア・アークランズ ニュースリリースより

 ロピアが出店しているHC5店舗の状況について、アークランズ広報は「客数が圧倒的に多く、30~40代の子育て世代の利用率が高い。ロピアの導入によりHCへの送客効果も確認できている」と説明する。

接近するHCとSM

 アークランズがロピアと業務提携に至った背景は大きく2つある。

 1つはアークランズが従前から取り組んでいた食品事業の拡大である。同社はSMの「ムサシ食品館」を新潟県内に3店舗運営している。「この事業を拡大していくのかどうかはずっと検討課題だった。自社ブランドの拡大が困難ななか、勢いのあるロピアのブランドとノウハウ活用で拡大を図りたい」(同社広報)。

 もう1つはHCとの併設によるシナジーである。ロピアは集客力が高いだけでなく、たとえば地下1階など柔軟な出店形態が可能だ。また、広域から集客できるが来店頻度が月に数回というHCと、商圏は狭いが圧倒的に来店頻度が高いSMはそれぞれの強みを生かすことができる。

 テナントではなく、FCでロピアを運営する理由について、「自社の食品事業を拡大したいアークランズと、ロピアブランドを空白地帯に拡大したいロピアの意向が一致したため」とアークランズ広報は回答する。すでに北陸3県で店舗展開するアークランズのほうが、マーケットの把握や、用地・人員確保の面で利があると考慮した結果だ。

 直近ではコーナン商事(大阪府/疋田直太郎社長)が子会社ホームインプルーブメントひろせ(大分県/村上文彦社長)のSM「食の蔵」を大阪府のHC内に初出店するなど、HCとSMの協業に関する話題が増えている。アークランズとロピアの業務提携は、今後HCとSMがさらに接近していく呼び水となるだろう。

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