【独占インタビュー】トライアルHD亀田社長が展望する「西友買収後」の景色とは

聞き手:雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
構成:植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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西友(東京都)の買収というサプライズで業界を沸かせたトライアルホールディングス(福岡県:以下トライアル)。3800億円という莫大な金額を投じてまで西友をグループに引き入れた理由は何か。3月5日の会見終了後に行った独占インタビューの内容をダイジェスト版でお送りする。

トライアルと西友の”店舗共存”が前提

トライアルHDの亀田晃一社長
トライアルHDの亀田晃一社長

――あらためて、西友買収のねらいは。

亀田 トライアルと西友は出店エリアや店舗の立地が競合せず、むしろ補完関係にある。双方がメリットを享受できる関係を構築できると判断した。西友が首都圏に持つ店舗網だけでなく、商品政策や製造・物流面でもさまざまなシナジーが期待できる。

――西友の既存店舗についてはどうしていくか。首都圏を除く地方部では両社とも店舗展開しているエリアもある。

亀田 現時点では屋号を変更する予定はなく、大規模な店舗閉鎖も考えていない。トライアルと西友がともに店舗を展開している東北などの地方部でも、細かく見ると立地は棲み分けられており、共存は可能だ。店舗統廃合による雇用の縮小が起こることはない。

――西友のプライベートブランド(PB)をはじめとする商品政策はどう融合していくか。
亀田 西友のPBは継続する方針だ。同社のPBはお客さまから高い評価を得ており、なおかつ安定した収益基盤を確立している。むしろ西友のPBをトライアルの店舗でも扱うことができれば、お客さまの利便性はもちろん、グループ全体のさらなる収益性向上も期待できるだろう。

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聞き手

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

構成

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。趣味は地方をめぐって美味しいものを食べること。

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