相次ぐ下方修正で暗雲の予感? 最新決算発表前に振り返るホームセンター2022年度決算

兵藤 雄之
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異業種と積極的に提携する最大手カインズ

 間もなく、HC企業の23年度決算が発表になる。コロナ禍以降、4兆円規模を維持してきたHC市場に変化があるのだろうか。各社の決算発表の前に、22年度決算での売上ランキングはどうなっていたのか振り返っておこう。

図表●ホームセンター2022年度決算

 2022年度のHC企業は、コロナ特需の反動減に加え、急激な物価高や円安、エネルギー価格の高騰に苦しんだ。そうしたなかでも、積極的な出店や業界を超えたM&A(合併・買収)などにより、売上を伸長させたHC企業があった。

 売上高首位のカインズは、23年2月期売上高は初の5000億円超えとなる5150億円(6.7%増)。22年3月に東急ハンズ(東京都:現ハンズ)を買収。異業種との提携も積極的に行っており、22年5月には広告・Webサイト制作などを手がけるカヤック(神奈川県)、12月にはプライステックのハルモニア(東京都)とそれぞれ資本業務提携を結んだ。

 2位のDCMHDは23年2月期の売上高が4768億円。新収益認識基準適用のため前期との比較はないが、新基準適用前の数値で比較すると10.4%増になる。22年3月に完全子会社化したエクスプライスの業績が寄与したほか、PB「DCMブランド」の取り扱いを約3万1000SKUに拡大し、資本業務提携を結ぶHCのカンセキ(栃木県)などにも提供を始めた。

 3位のコーナン商事の23年2月期の売上高は3889億円(新収益認識基準適用のため、前期との比較はなし)。23年2月期は積極的な出店により、プロ業態を含む37店舗をオープン(3店舗を閉店)。23年6月には、九州エリアで食品スーパーとHCを併設した「スーパーコンボ」を41店舗展開するホームインプルーブメントひろせ(大分県)を完全子会社化した。

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