広告ビジネスが最強であることの不変性とリテールメディアの無限の可能性とは

未来調達研究所:坂口孝則
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広告ビジネスが最強であることの不変性

 Netflixで配信されているドラマ『セレブリティ』は、女性インフルエンサーらが有名になろうと苦闘する姿を描いた傑作だ。韓国ドラマらしく、他者に嫉妬し、もがき苦しむ人間の醜さと哀しみを、エンターテインメントとして仕上げている。

 いきなり話は変わるが、米グーグル(Google)が生成AIに本腰を入れると発表した。現在、OpenAIの「ChatGPT」に対抗して「Bard」を公開する同社だが、これからサイバースペースに公開されている情報をこれまで以上に“摂取”し、AIの実力向上を図る。ChatGPTなどの他社の生成AIになぜここまで対抗心を燃やすのかというと、それは世界中での検索回数が減少するからだ。検索頻度が下がれば、グーグルが提供する広告を閲覧・クリックされる頻度も下がる。それはグーグルの主要収益源の危機にほかならない。

 さて、冒頭の『セレブリティ』と、このグーグルの話は、1つの示唆を与えてくれる。「広告こそが最強のビジネスモデルである」という事実だ。

ファミリーマートの店舗に導入されているサイネージ
リテールメディアの可能性は「広告媒体」という枠を超えて広がっている(写真はファミリーマートの店舗に導入されているサイネージ)

 インフルエンサーは自身がメディアである。『セレブリティ』では、有名インフルエンサーを象徴するものとして、ブランド品やジュエリー、コスメが頻繁に映し出される。それらの多くはスポンサーから提供されたもので、インフルエンサーが宣伝することで商品が売れるという仕組みだ。インフルエンサーは企業と消費者をつなぐハブとなり、インフルエンサー自身も自尊心を満たすことができる。たった1人の人間でも生み出せる、最強のビジネスモデルだ。

 一方、頭脳明晰な社員を多く有し、革新的な技術やサービス、プロダクトを世に送り出してきたグーグルにおいても、広告事業は大きな収益の柱となっている。グーグルだけではない。衝撃的だったのは

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