ファミマ過去最高の日販達成!AI活用、リテールメディア強化進める成長戦略とは

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コンビニ復活 メインイメージ

ファミリーマート(東京都/細見研介社長)も、国内コンビニエンスストア(CVS)事業の基盤強化に取り組んできた結果、2023年2月期業績は回復を果たしている。そうしたなか次なる成長として、リテールメディア事業で日本のリーディングカンパニーをめざす大方針を打ちだしている。

客数、客単価ともに上昇 全店平均日販は過去最高

 ファミリーマートの2023年2月期(連結)の業績は、営業収益が対前期比2.2%増の4615億円、事業利益(営業利益に相当)が同2.0%減の640億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同61.9%減の344億円であった。21年6月に台湾ファミリーマートの株式の一部譲渡を完了し、連結子会社から持分法適用会社に変更された影響を除くと、前期から290億円の増収、82億円の事業増益となる。

 単体ベースのチェーン全店売上高は同4.1%増の2兆9576億円。既存店客数が同2.7%増、客単価が同1.5%増でいずれも前期実績を上回り、既存店売上高は同4.3%増と堅調に推移した。全店平均日販は53万4000円で、コロナ禍以前の水準を超え、過去最高を記録している。

 期末店舗数は1万5606店。期中に187店を出店する一方、227店を閉鎖した結果、前期末から40店純減した。

ファミリーマート外観
ファミリーマートは中計で掲げた「CVS事業の基盤強化」を着実に実行し、コロナ禍の低迷より業績を回復させている

 24年度までの中期経営計画では、「CVS事業の基盤強化」と「CVS事業の基盤を活用した新規ビジネスの拡大」の両輪による「新しい成長の好循環」をめざしている。その初年度であった22年度について細見研介社長は「コロナ禍の収束が見通しづらいなか、ウクライナ情勢によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、急激な円安、記録的なインフレなど、事業環境が激変した1年だった」と振り返ったうえで、「定量面、定性面ともに、再成長に向けて確かな第一歩を次年度につなげられたと確信している」と総括している。

「価格を上回る価値」を提供 AIによる効率化も推進

 コロナ禍の低迷から回復を果たした背景で、

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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