「価格帯」戦略が奏功!ファミリーマートが過去最高の日販を達成できた理由

Pocket

コンビニ復活 メインイメージ

ファミリーマート(東京都/細見研介社長)はコロナ禍で「日常使いのワンストップショッピング」ニーズへの対応と、「メリハリのある価格帯戦略」に注力。その結果、全店平均日販で過去最高を達成した。2024年2月期は、戦略的な地域対応と、同社が積極投資を進めるデジタル販促を絡めることでさらなる売上成長をめざす。

低・中・高の3つの価格帯に対応

ファミリーマート執行役員商品本部長の島田奈奈氏
執行役員商品本部長の島田奈奈氏

 ファミリーマートの23年2月期(単体)のチェーン全店売上高は対前期比4.1%増の2兆9575億円。既存店の客数が同2.7%増、客単価が同1.5%増でいずれも前期実績を上回り、既存店平均日販は同4.3%増と伸長した。全店平均日販は53万4000円で、コロナ禍以前の水準を超え、過去最高となっている。執行役員商品本部長の島田奈奈氏は「商品政策で掲げて取り組んできたことが、成果としてきちんと表われた1年だった」と振り返る。

 23年2月期の商品政策(MD)では「日常使いのワンストップショッピング」を掲げ、30~50代の女性や、60代以上のシニア層の取り込みを図った。

ファミリーマートの売場
ファミリーマートでは「地域戦略」を掲げ、これまで以上に地域ごとのニーズに即した価格設定や品揃えを行う

 価格・品質・量目の観点で買い得感のある「ちょっとおトク」をコンセプトに、総菜カテゴリーでは200円台の価格帯の「ちょいデリ」シリーズや、包装技術によって消費期限を1日延長させた総菜・サラダシリーズなど、プライベートブランド(PB)「ファミマル」の品揃えを拡充し、若年層からシニア層までの多様な用途や食シーンに対応した。

ファミマの「コンビニエンスウェア」
「Convenience Wear(コンビニエンスウェア)」では、デザインや素材にこだわった商品を手頃な価格で展開し好評だ

 衣料品PB「Convenience Wear(コンビニエンスウェア)」では、デザインや素材にこだわった商品を手頃な価格で展開。緊急需要だけでなく、Tシャツやカーディガンなどアパレル専門店が主戦場とする領域でも品揃えを拡充し、ユーザーからも好評だ。

 原材料価格の高騰や円安に伴ってナショナルブランド(NB)商品の値上げが相次ぐなか、「ファミマル」でのメリハリのある価格帯戦略も奏功した。

 たとえば、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態