2021年度上期決算は増収増益の平和堂 地域密着スーパーが徹底する“真の顧客視点”とは

2021/10/25 05:55
油浅健一、阿部幸治
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平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)は全156店舗のうち85店舗が滋賀県内にあるという地域に根差した総合スーパー企業だ。徹底したドミナント戦略で地域に密着し、地域のニーズを最大限にくみ取りながらサービスを磨き上げ、環境変化に翻弄されることなく、成長を続けている。本稿では同社の“真の顧客視点”について考えたい。

コロナ禍の決算は過去最高レベル

 コロナ禍では、外出自粛が大きなマイナス要素となる一方、巣ごもり需要によるデリバリーやローカル店舗の利用増という潮流の変化が起こった。全国展開するチェーンはそうした流れに合わせ、宅配体制を強化したり、出店計画を都心部から地域重視へ見直したりする動きもみられた。

 平和堂が先ごろ発表した2022年2月期第2四半期連結決算は、営業収益が対前年同期比1.7%増の2159億6100万円、営業利益が同21.4%増の70億5400万円、経常利益が同19.2%増の76億5900万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同33.8%増の51億4900万円だった。

 国内食品小売事業は前年反動があったものの引き続き堅調で、前期苦戦した中国百貨店事業、国内外食事業・国内衣料小売事業の回復により増収、営業利益面でも国内子会社の売上回復と経費見直しで大きく増益を果たした。コロナ禍でも大崩れすることなく、いまだ先行き不透明な中で安定した数字を弾き出した格好だ。

 また投資面でも期中のフレンドマート草津大路店の出店に加え、CoCoRoPlusの自社SC外出店3店舗目となるイオンタウン千種店をオープンしたほか、フランチャイジーとしてエニタイムフィットネスを2店舗出店するなど、堅実かつ自社のビジネスのすそ野を広げる展開で成果を上げた。

 いわゆる「地元志向」が強まるなか、以前から地域に根差した事業展開を徹底する同社が、コロナ禍でも落ち込むことなく、むしろ過去最大レベルの売上を達成したのは必然の結果といえる。

「消費者になくてはならない店になる」

 過剰気味な店舗数に加え、人口減少で厳しい環境にあるスーパー業界で、平和堂の立ち位置は明確だ。その肝は社是の「商業を通じて豊かな暮らしと文化生活の向上に貢献し、より多くの消費者になくてはならない店になる」と、同社がめざす「100年企業」に集約されているといってよいだろう。

 「消費者になくてはならない店になる」。この実現には、ニーズを徹底して掘り下げ、消費者ファーストであることが大前提だ。これが実現できていれば、企業は自ずと70年、80年、そして100年でも存続し続けるだろう。

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