衝撃!オーケーが調剤事業に参入 二宮涼太郎社長が明かす「直営」にこだわる理由

聞き手:雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
構成:フリーライター:松岡由希子
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調剤大

徹底したEDLP(エブリデー・ロープライス)と品質の追求を掲げ、首都圏を地盤に成長を続ける食品スーパー(SM)大手のオーケー(神奈川県)。直近では関西スーパーマーケット(兵庫県/福谷耕治社長)をめぐるエイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府/荒木直也社長)との買収合戦に耳目が集まっているが、その一方で同社が今年、調剤事業に参入したというニュースは意外にも大きく報じられていない。SM企業が調剤ビジネスに乗り出すという異例の戦略を決断した背景とねらいを問うべく、二宮涼太郎社長を直撃した。

ワンストップの利便性を調剤参入で実現

オーケー代表取締役社長 二宮涼太郎氏
オーケー代表取締役社長 二宮涼太郎氏

──今年5月に調剤事業への参入を表明し、8月には「港北店」(神奈川県横浜市)に直営の調剤薬局を開業しました。SM企業として順調な成長を遂げながら、調剤という新規事業に参入された背景にはどういったことがあるのでしょうか。

二宮 調剤薬局を便利に利用できる環境を整え、オーケーを利用されているお客さまの総合的な買物の利便性を高めることが主なねらいです。とくにコロナ禍においては、ワンストップショッピングの利便性がより重視される傾向にあります。生活必需品の買物のついでに処方薬を受け取ることができれば、お客さまの利便性は格段に向上するでしょう。

 また、患者の服薬情報を一元的に管理して患者を身近にサポートする「かかりつけ薬局」の利用を国が推進しているほか、高齢化など社会環境の変化も顕著です。そうした情勢も、調剤事業への参入を決めた背景の1つです。

──すでにOTC医薬品については複数の店舗で取り扱っています。調剤参入はその延長線上にあるものとして見ることもできますか。

二宮 はい。オーケーでは約30店舗でOTC医薬品を取り扱っています。薬剤師が常駐して第1類医薬品から販売する8店舗に加え、登録販売者が第2類医薬品や第3類医薬品を販売する店舗を約4年前から拡大させています。ドラッグストア(DgS)を含めて商圏内の競合店の価格がオーケーの価格を下回った場合にはこれら医薬品についても「競合店対抗値下げ」を実施するなど、ほかの商品カテゴリーと同様に地域の最安値をめざし、競争力のある価格設定も徹底しています。

 そうした取り組みを行うなかでお客さまの「オーケーで医薬品が購入できる」という認知度が高まり、医薬品カテゴリーの売上高が伸びてきました。そこで調剤事業にも乗り出し、OTC医薬品にとどまらず、医薬品カテゴリーにおいてカバーできる領域を広げるというのも大きなねらいです。

あえての“直営”でねらうノウハウ獲得と出店加速

──「調剤併設」というフォーマット自体は、外部の調剤薬局をテナントに誘致することでも実現できます。それでも直営での展開にこだわったのはなぜですか。

二宮 調剤事業への参入については

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