ヤオコーを超える顧客支持率?コロナ禍まとめ買い時代に客数を伸ばす、「ベルク」強さの正体!

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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新社長のもと話題性ある販促企画を続々実施

 実はここ最近、ベルクには客数の伸長以外にもう1つ業界の話題を集めていることがある。それは同社が始めたユニークな販促策だ。

 その内容は、主に取引先メーカーと連携して行う懸賞企画で、たとえば今年7月に日清食品(東京都)と共同で実施した「ベルク上空に一斉飛来!『 UFO襲来セット』が当たるレシートキャンペーン」など、消費者の興味・関心を惹きつける内容の企画を続々と実施している。これらの販促策が前出の消費者調査において、ベルクが支持される理由に「ポイントやお得なサービス」が挙がる要因になっていると想定される。

 ベルクがユニークな販促策を始めた背景にあるのが、20年5月に新社長に就任した創業家出身の原島一誠氏の存在だ。現在43歳とSM業界の社長のなかでも若い。だからこそ「従来のSM業界にはないことにも積極的に挑戦していきたい」と公言しており、ベルクに新しい風を吹き込んでいる。

 「まるでベンチャー企業のような雰囲気がある──」

 これは本特集内で取引先メーカーの担当者による座談会を実施した際にあがった、現在のベルクの組織風土を表す表現だ。若い世代も積極的にバイヤーなどの役職に起用され、新社長のもと、新しい販促策といった今までのSM業界では見られないような試みにも前向きに取り組んでいく勢いが今のベルクにはあるようだ。

 これらを総合的にみると、これまでの高収益SMの強固なビジネスモデルをベースに、コロナ禍で日常のニーズに即した店を提供し、そこに新たに取り入れたお得感や話題性に訴える販促策が相乗効果となり、これが今ベルクが多くの顧客を呼び込むことにつながっていると考えられる。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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