強敵が次々商圏に出店!平和堂の戦略と新たなモデル店の成果とは
平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)は昨今、食品スーパー(SM)業態を主軸に、大阪をはじめ市街地での店舗網拡大を図っている。それだけに、昨今の関西エリアでの競争環境の激変は同社にとっても大きな影響のある事象だ。
そうしたなかで平和堂は、競争力のさらなる向上をめざした新たなモデル店の構築により、30~40代のファミリー層の取り込みにさらに注力する方針を掲げる。同社が描く、関西市場での独自の成長図の中身とは──。
強敵が相次ぎ商圏に参入!ファミリー層の流出に懸念
平和堂は地盤とする関西のほか、東海、北陸地方で総合スーパー「アル・プラザ」、SM「フレンドマート」などのフォーマットで、2024年11月現在、166店舗を運営している。
顧客の多様なニーズに応えた豊富な品揃えと、プライベートブランド(PB)をはじめとする付加価値型の商品提案によって、同社は本拠の滋賀県を中心に、関西では大きなシェアを有する企業の1つである。とくに昨今はSM「フレンドマート」を大阪などの市街地に出店し、店舗網を着実に広げている。
ただ、平和堂にとっても経営環境の変化は目まぐるしい。商勢圏では近年、食品の扱いが大きいドラッグストア(DgS)やディスカウントスアが出店を積極化。そして11月26日にはついにオーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)が進出し、平和堂は出店を強化している阪神エリアで、オーケーと対峙することとなった。
実際、オーケーの関西第1号店「オーケー高井田店」(大阪府東大阪市)から約1.4㎞離れた場所には「フレンドマート深江橋店」がある。また、25年にオーケーが兵庫県尼崎市内で開業予定の店舗からわずか300mの至近には「フレンドマート尼崎水堂店」が店を構える。
関西外からの“刺客”はオーケーにとどまらない。
バローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長)も平和堂と同様に、SM業態をメーンに関西での積極的な出店を行っているほか、11月28日には、東海地方で強い集客力を誇るディスカウントSMを展開するカネスエ(愛知県/牛田彰代表)が、滋賀県大津市に関西1号店を出店。
平和堂にとっては、強敵が相次いで商勢圏に参入する状況が続いている。
急速に変化する競争環境について、
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