連載 スーパーマーケットの2020 #9 万代

2020/10/05 05:45
森田俊一(流通ジャーナリスト)

大阪を地盤に、京都、奈良、兵庫、三重の2府3県に店舗を展開する万代(大阪府/阿部秀行社長)。関西地方のスーパーマーケット(SM)としては、トップクラスの売上高を誇り、厳しい競争環境下でも成長を続けている。15年にはセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)と提携、セブン&アイの関西地方におけるSM戦略の一翼を担っている。取り立ててディスカウント戦略を売りにしているチェーンというわけでもないが、顧客から絶大な支持を集めている。

セブン&アイと緩やかな提携を継続中

 万代とセブン&アイが業務提携を結んだのは2015年のことだ。その以前からセブン&アイは関西以西での勢力拡大に力を入れており、天満屋ストア(岡山県/野口重明社長)、近商ストア(大阪府/上田尚義社長、現在は提携を解消)とも提携した経緯がある。

 セブン&アイはさらに18年に中国・九州の雄、イズミ(広島県/山西泰明社長)とも提携しており、これにより関西から中国地方での提携先のネットワークはほぼ完成したと言っていい。この提携ネットワークの中で、万代は関西地方における中核的な存在となる。

 セブン&アイらしく、万代とは資本提携ではなく、業務提携のみの提携となる。提携発表から5年が経過しているものの、資本提携したというアナウンスはなく、緩やかな提携を続けている。

 セブン&アイと提携した当時のあるインタビューを見ても、万代の首脳は「(セブン&アイ側からは)何の要望もない。自由にやってくださいという雰囲気」とコメントしている。連載#7でも記したヨークベニマル(福島県/真船幸夫社長)との提携と同様に、「相手先の自主性を尊重する」というセブン&アイのスタンスは貫かれている。

 業績次第では「人を出しましょうとか、追加出資をしましょうか」と要求する企業が多い。「提携先としてはやりやすいのではないか」とセブン&アイの提携スタンスを評価する声も聞こえてくる。資本関係がある訳ではないが、万代側としても、セブン&アイという巨大流通グループの後ろ盾を得ているという安心感もあるだろう。

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