連載 スーパーマーケットの2020 #8 オーケー

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今でこそ、ディスカウントスーパーとして首都圏で絶大な存在感を放つオーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)だが、同社は本来の意味での「チェーンストア運営」を貫いている企業でもある。徹底したローコストオペレーションでねん出した原資を安売りに回し、価格政策では「EDLP(エブリデイ・ロープライス)」を貫く同社。なぜ、オーケーは強いのか――。

オーケー

ローコスト運営を徹底

 オーケーの創業者、飯田勧氏は老舗酒類問屋・岡永の2代目経営者、飯田紋治郎氏の三男である。

 飯田家はまさに実業家の家系だ。四兄弟のうち、長男の博氏は岡永の現会長を務め、次男の保氏は居酒屋チェーン「天狗」などを展開するテンアライドを創業、四男の亮氏は警備サービスのセコムの創業者、そして勧氏はオーケーを創業した。

 オーケーの最大の特徴は、ローコストな経営スタイルだ。現在、オーケーの本社は横浜市西区に移転しているが、かつては京浜急行線本線「雑色」駅の近くの本部を置いていた。旧本社ビルはボウリング場を改造した建物。改造といっても、レーンを撤去しただけの簡素な造りで、ボウリング場だったことがすぐわかる、味わいのあるオフィスだった。

 こうしたローコストな経営スタイルは店づくり、売場づくりにおいても貫かれている。「ローコストオペレーション」の店舗運営による、徹底したディスカウント路線はオーケーの真骨頂といっていい。レジ袋有料化が始まる以前からレジ袋は別料金とするなど、「商品価格を1円でも安くする」という創業者・勧氏の思想が現在に至るまで受け継がれている。

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