連載 スーパーマーケットの2020 #4 マックスバリュ西日本

流通ジャーナリスト:森田 俊一
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今後は出店加速?小型フォーマット開発も

 統合後のマックスバリュ西日本は、現在の約3割増にあたる売上高7000億円、売上高営業利益率3%に引き上げる中長期目標を掲げている。

 これを達成すべく、マックスバリュ西日本は今後、出店スピードを上げる方針を打ち出している。中四国地区をいくつかのエリアに分け、マックスバリュ西日本のドミナントエリアである兵庫県西部の西播と東播、さらにマルナカと山陽マルナカの店舗網が充実している岡山、香川に重点出店し、ドミナントエリアの強化をめざすとしている。

 とくに西日本地区では、大型の食品スーパーを出店できる土地が少なくなっている。そのため今後は小型食品スーパーのフォーマット開発にも力を入れるという。プロセスセンターを活用した小型フォーマットの展開で、立地や商圏特性を踏まえた機動的な出店戦略を推し進める考えだ。

 マックスバリュ西日本の親会社であるイオンは、四国地方に強力な地盤を持つフジ(愛媛)とも資本提携している。フジはマックスバリュ西日本の株式400万株(議決権所有割合7.6%)を保有しており、今後は両社の連携による取り組みも見られるかもしれない。

 一連の経営統合により、売上高5000億円規模に急浮上したマックスバリュ西日本。イオンの食品スーパー戦略において、西日本エリア攻略のカギを握る存在となったと言っていい。有力地場チェーンがひしめく西日本エリアの勢力図が大きく変わろうとしている。

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