コロナ下で売上伸長するスーパーマーケット業界 アークス横山清社長が語る「M&Aをし続ける」理由

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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新日本SM同盟ではCGCでできないことに挑戦

食品スーパー アークスの外観
アークスは北海道・東北でグループに加盟する企業を今後も増やすほか、バローホールディングス、リテールパートナーズと18年12月に新日本スーパーマーケット同盟を結成するなど、全国規模での提携も活発化させていく考えだ

──18年12月に発足した新日本SM同盟の進捗はいかがですか。

横山 新日本SM同盟は、北海道・東北地方に店舗網を持つアークス、中部地方で事業を展開するバローホールディングス、中国・九州地方を事業エリアとするリテールパートナーズという有力な地域SM3社の集合体です。19年1月には提携推進委員会を創設し、地場商品や産地情報の共有や限定商品の開発を行う「商品分科会」、資材や什器の共同購入や店舗開発などを行う「運営分科会」、人手不足への対応についてのノウハウなどを共有する「間接部門分科会」、AIなど新しいテクノロジーの共同研究を行う「次世代領域開発分科会」の4組織を傘下に設置しました。

──アークス傘下のSMはCGCグループに加盟しています。新日本SM同盟との位置づけの違いを教えてください。

横山 CGCは、中堅SMがプライベートブランド(PB)の開発や商品調達を共同で行うことを目的として、地域ごとに運営されています。私が社長を務めている北海道シジシーは、18年度の売上高が1162億円で、道内で最大の卸売企業でもあります。

 新日本SM同盟では、北海道でのPB開発や大量共同仕入れなど、北海道シジシーへの参画を通じて培ってきた経験やノウハウを生かし、CGCでは実現が難しいことに取り組みたいと考えています。たとえば、北海道で獲れたほっけなどの地場商品を共同調達して原価を低減し、ほかの地方にある同盟企業の各店舗で展開してマスメリットを追求するなど、地域を越えた全国規模でのシナジー効果の創出をめざしています。

──イオン(千葉県/吉田昭夫社長)でも、傘下のSMを地域ごとの集合体へと再編する「SM改革」がすすめられています。再編の形態として、新日本SM同盟と似ている点もあるのではないでしょうか。

横山 複数のSM企業で一定の売上規模の集合体を形成するという面では似ているかもしれません。しかし、イオンのSM改革は、商品供給や管理の体制で一方が他方を完全に支配する形態となっている点で、新日本SM同盟とは異なります。新日本SM同盟は、3社が株式を相互に持ち合う資本業務提携のもと、各社がそれぞれ独立して事業を運営する「独立系食品流通企業の集合体」です。

──新日本SM同盟のもとで、バロー傘下のドラッグストア(DgS)である中部薬品(岐阜県/高巢基彦社長)と提携し、北海道や東北でSMとDgSを統合した業態に取り組む計画はありますか。

横山 アークスは16年にサンドラッグ(東京都/貞方宏司社長)と合弁会社を設立し、北海道・北東北でDgS事業を展開しています。したがってご指摘の件は現時点では具体的にすすんでいませんが、今後は新日本SM同盟のもと、別の形態でDgS事業に取り組む可能性は否定しません。

──最後に、流通・小売業界の相関関係は今後どのように変わっていくのか、見方を聞かせてください。

横山 この1~2年で業界内の相関関係はより明確になっていくでしょう。従来、企業間の相関関係は主に資本関係によって明確にされてきましたが、今後は物流、商流、人脈など、ほかの要素で表されるようになるかもしれません。これらがどのように相関図に加わっていくのかを読み解いていくことが、今後の重要なポイントになりそうです。

 

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