今中期3ヵ年計画「Change-i」策定し収益構造の改革行う=イズミヤ 坂田俊博 社長

聞き手:千田 直哉 (編集局 局長)
構成:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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 MD改革の中では商品開発、商品構成・品揃えの見直しと運営の効率化、そしてEDLCによるEDLPに取り組んでいきます。

 とくに衣料品や住居関連品の品揃えにおいて、客層とのアンマッチを是正していきます。衣料品では、サイズ展開についても適正化を図ります。たとえば、中心となるベーシックな商品だけはサイズを幅広く持ち、そうでない商品は中心サイズだけの展開というように、“割り切り型”のサイズ展開も実施していかなければならないと思っています。

──“値ごろ感”の創出もポイントになりますね。

坂田 そうです。“ただ安い”のではなく、品質と機能とを照らし合わせて、いかに値ごろのある商品なのかということをきっちり押さえるように、社内では口を酸っぱくして言っています。とくに食料品ではこの“値ごろ”が大きなポイントになります。

 食料品の場合は、これ以上客数を上げるのはなかなか大変だと感じています。そこで、1人当たりの買上点数を増やすことに取り組みます。その手法としては関連販売だけでなく、適切な量目・規格で提供するということがあります。従来はこれができていなかったために、機会ロスを招いたという反省もあります。その点を改善して、買上点数を1点上げていきたいと考えています。

 商品開発では、ご存知のようにユニーさん(愛知県/前村哲路社長)、フジさん(愛媛県/尾﨑英雄社長)と3社共同開発で、共通プライベートブランド(PB)「Style ONE(スタイル・ワン)」の開発を進めています。これは主力となる商品カテゴリーでPBを開発するものです。規模のメリットを創出して、商品原価低減と 低価格販売を実現したいという目的で取り組んでいます。今年8月21日より順次発売を開始していきます。

売上高対販管費率を現在の27%から25%以下に!

──一方で、費用構造改革にはどのように取り組まれますか?

坂田 グループ会社を含めた間接部門を減らし、機能の集約化を進めていきます。グループ会社に振り分けるべき業務は振り分け、本部人員をスリム化していきます。

 店舗運営コストの削減にも取り組みます。衣料品や住居関連品売場には、集中レジだけでなくコーナーごとにレジがある店も少なくありません。それを集中レジに統一する、もしくはレジカウンターを配置するコーナー数を削減するなどして合理化を検討して行きたい。また、営業時間の短縮と従業員の勤務時間帯の見直しについても推進していきます。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

構成

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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