ツルハがディスカウント新業態「ビッグダウン」を戦略業態と位置付け実験中

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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 ツルハホールディングス(北海道札幌市、鶴羽 樹社長)では、今期(2013年5月期)より新たな戦略業態としてディスカウントストア(DS)の開発を進めている。これまで同社が強調していた専門性を訴求する店舗スタイルとともに、今後の事業の柱とするため実験中だ。

 茨城県日立市内の既存店を転換し2012年6月からDS「ビッグダウン」として営業する日立会瀬店。もとは食品スーパー(SM)だった店舗をツルハが買収し、これまでDgSとして営業していた。ビッグダウンへの転換によって、これまで取り扱ってきた医薬品、化粧品、生活雑貨、食品に加え、軽衣料やカー用品なども品揃えし、DSとして再出発を図った。

 同店の最大の特徴は販売管理費の低さ。正社員1名のほかパート・アルバイト3~4名での運営が基本で、時間によってはパート・アルバイトのみでの営業もある。取扱アイテム数は1万4000SKUで、売場面積300坪を標準とする同社DgSの2万SKUと比較し7割程度の商品数に絞っている。「今後はさらにアイテム数を絞り込み、最終的には1万SKU程度で運営できるようにする」(鶴羽社長)という。

 営業時間は9時から21時。商品の品出しは9時の開店前に終了させ、従業員の作業スケジュール管理を徹底。取り扱いのある医薬品や化粧品についても、基本はセルフ中心の展開で、DgSツルハドラッグ時代のような推奨販売は行っていない。1500万円程度だった月間売上高は、転換によって2倍の3000万円に拡大。販売管理費は12%台でコントロールされ、同店の粗利益率13%に対し、収支トントンか、わずかながら営業利益が生み出せる状態まで来ているという。

 サンドラッグによるシニア向け小型DgS、マツモトキヨシによる食品強化型DgSを含め、DgS各社では新業態の開発が活発化している。

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