新屋号は「ハンズ」 新ロゴに込められた新生ハンズの未来とは

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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高家会長が描く新生ハンズとは

 新生ハンズは、7つの価値観を打ち出していくために、販売戦略とMD(商品政策)戦略の2本立てで展開をしていく。まず販売戦略では「ハンズの店員が持つ深い商品知識を、店舗に来店しない顧客にも伝えられるようなデジタル戦略を今後考えたい」とした。

 MD戦略としてはハンズの改装を挙げた。まず、新たなロゴ看板への変更を進める。今年11月上旬に新規オープンの「名古屋松坂屋店」、2023年春には「渋谷店」、同年夏には「新宿店」と、順次切り替えを実施していく。また、これまでハンズでは、店舗ごとに独自の棚割を行ってきたが、今後はそれに加え、全店共通の定番の棚割を設定することで、ハンズ全体で「7つの価値」を訴求していく。

 さらに、PB開発にも挑戦する。「カインズの持つ商品製造力と、ハンズの目利き力・提案力を活かしていきたい」と高家会長は述べた。

店舗での新ロゴPRイメージ
新生ハンズを顧客に訴求していくため、10月27日からはハンズ各店舗で、新ロゴの紙袋の無料配布などを行う。

「決して一つのブランドとして融合するわけではない」

高家会長は統合について「あくまで『共創のパートナーシップ』であり、ハンズとカインズが一つのブランドとして統合されていくわけではない」と改めて強調した。

郊外の大型店を展開するカインズと、都市部に小型店を展開するハンズ、両者の持つ店舗網は補完性が高いとした。

そのうえで、「店員の商品知識の豊富さなど、ハンズにはハンズの価値がある。両者の良さを生かし、顧客にアプローチしていきたい。例えば『梅雨対策』といった同じ企画を実施するにしても、両者が違ったアプローチを仕掛けていくことができるのではないかと考えている」と2社の今後について高家会長は語った。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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