完全失業率1月2.9%に低下、有効求人倍率は上昇 緊急事態宣言の影響は限定的

ロイター
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厚生労働省が3月2日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、前月から0.05ポイント上昇した。2020年6月以来7カ月ぶりの高い水準。総務省が同日発表した1月の完全失業率は2.9%だった。東京都で1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 2日 ロイター] – 総務省が2日発表した1月の完全失業率は2.9%となり、前月から0.1ポイント低下した。新型コロナウイルスの影響が続く中で緊急事態宣言の発令により雇用状況の悪化が懸念されたが、大きな影響が出ることはなかった。厚生労働省が同日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、前月から0.05ポイント上昇した。

男性の失業率は3.2%と前月と同率。女性は2.6%と前月に比べて0.2ポイント低下した。年齢別では15━24歳が5.8%と最も高く、65歳以上が1.8%と最も低かった。

完全失業者数(実数値)は197万人で前年同月比38万人の増加、12カ月連続の増加となった。求職理由別では「勤め先や事業の都合による離職」が18万人、「自発的な離職(自己都合)」が3万人、それぞれ増加した。

就業者数(実数値)は6637万人で前年同月比50万人減。10カ月連続の減少となった。宿泊・飲食サービス業で39万人、卸売・小売業で22万人それぞれ減った。一方、医療・福祉、教育・学習支援業などは増加するなど、産業別で明暗が分かれる状況が続いている。

休業者数(実数値)は244万人と、前年12月に比べて42万人増加した。1月は11都府県を対象に緊急事態宣言が発令され、飲食店に対して営業時間短縮要請が出されたが、宣言の対象が絞られたこともあり、前回宣言が発令された昨年4月ほどの急増はみられなかった。

緊急事態宣言が出されたものの、総務省の担当者は「社会経済活動の大幅な低下にはならなかった」と評価を述べた。

労働力調査は毎年、1月分の公表時に前年12カ月分の結果を追加して季節調整値を改定。それをもとに過去10年分の数値を修正している。20年は新型コロナウイルスが大きな影響を与えたが、学識経験者に意見を聞きつつ外れ値を設定したうえで改定した。その結果、20年12月の完全失業率は2.9%から3.0%に改定された。

有効求職者数は低下、就職活動控える動きか

有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。20年12月以前の数値は、毎年1月分公表時に新季節指数により改定されている。1月の有効求人倍率は20年6月以来7カ月ぶりの高い水準となった。

企業側の求人状況を示す月間有効求人数(季節調整値)が前月に比べて3.1%ポイント上昇した。求人は3カ月間有効で、今回は20年11、12月、21年1月の求人が反映されたもの。1月の新規求人数は緊急事態宣言の発令などの影響で減少したものの、11、12月に経済活動レベルの引き上げに伴って求人が伸びていたことが全体の上昇につながった。厚労省の担当者は「上昇してはいるものの、今後もこの伸びが続くかは分からない」としている。

一方、月間有効求職者数(同)は2.3%ポイント低下した。新型コロナウイルスの感染拡大によりハローワークに来所して職を求める人が減っているという。希望するような職が見当たらず、就職活動を控える動きも背景にあるとみられている。

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