完全失業率、12月は改善 コロナ感染の落ち着きで

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総務省が1日発表した12月の完全失業率(季節調整値)は2.7%で、前月(2.8%)から0.1ポイント低下した。写真は2020年6月、都内で撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 1日 ロイター] – 総務省が1日発表した12月の完全失業率(季節調整値)は2.7%で、前月(2.8%)から0.1ポイント低下した。新型コロナウイルス感染症の動向が比較的落ち着き、就業者数が大きく伸びた。また、厚生労働省が発表した12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍で、前月から0.01ポイント上昇した。

完全失業率は、ロイターの事前予測調査で2.8%が予想されていた。有効求人倍率は、事前予測で1.16倍が見込まれていた。

就業者数(季節調整値)は6673万人で前月と比べて49万人増加した。49万人の増加幅は、1986年1月以来の高い増加幅となった。また、宿泊業・飲食サービス業の就業者数は、382万人となり11月から10万人増加した。

完全失業者数(同)は186万人で、前月に比べて6万人減少した。内訳では「自発的な離職(自己都合)」は8万人の減少、「新たに求職」は3万人減少、「非自発的な離職」は6万人増加した。

同時に公表した2021年平均の完全失業率は2.8%となり、前年と同率だった。就業者数は、6667万人となり、2年連続で減少した。内訳では、新型コロナの影響で、宿泊業、飲食サービス業の就業者数は、369万人となり比較可能な2002年以降で最も少なかった。

信金中央金庫の角田匠・上席主任研究員は「1-2月はオミクロン株感染拡大の影響で雇用市場の改善ペースは多少足踏みになるだろう」と指摘。「ただ、人手不足などもあり、企業は感染収束後を見据え人を確保しようとする動きは続くとみる。ある程度、感染が落ち着けば雇用環境は良くなるだろう」と述べた。

新規求人数が大きな伸び

厚労省が1日発表した12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍と、前月から0.01ポイント上昇した。

有効求人数が前月に比べて1.8%、有効求職者数が1.6%それぞれ増加した。

有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。求人、求職はともに3カ月間有効で、データは2021年10、11、12月の動きが反映されたものとなる。

昨年12月は新規求人数が前月比4.5%増と比較的大きく伸びた。オミクロン株の感染が急拡大する前だったこともあり、人手不足を解消しようとする動きが出たという。

同時に公表した2021年(暦年)の有効求人倍率(季節調整値)は1.13倍だった。

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