ストア・オブ・ザ・イヤー11~20位を一挙公開!あのデジタルストアもランクイン!
11位 スーパーセンタートライアル長沼店
授賞理由
●将来のリアル店舗の方向性を示している
●カートを使ったスキャンは会計までスムーズにできる。どこよりも早く、実験・検証を繰り返したシステムだということがよくわかる
●関東では同社初のスマートストア。ITを駆使した店づくり、レジカートによる非接触での買物はコロナ禍において強みになる
最新技術を駆使した関東初のスマートストア
11位は、トライアルホールディングス(福岡県/永田久男社長)傘下のトライアルカンパニー(福岡県/石橋亮太社長)の「スーパーセンタートライアル長沼店」だ。
福岡県を中心に、九州地方の店舗を続々とAI搭載のカメラやタブレット付きの「レジカート」など最新のデジタル技術を駆使した「スマートストア」に転換している同社。長沼店は、関東地方での1号店だ。新たに「レジカート」にレシピ機能を搭載したほか、サイネージ、電子棚札、AIカメラ搭載の冷蔵ショーケースなども導入している。
関東でのスマートストアの今後の展開は未定だが、長沼店で実績をつくり、今後の出店計画を立てていく考えだ。スマートストアは自社以外の企業への提供も進めている。
12位 TOUCH TO GO(タッチトゥゴー)
授賞理由
●今までにない無人AI決済店舗
●小売の未来を占う店舗。人との接触が少なく、買物も早く済ませられる
●RFIDなどを付けずにスキャン不要で決済できる
●新しい顧客体験で、顧客利便性と店舗省人化を実現している
外販も進める無人AI決済店舗
12位に入ったのは、JR東日本スタートアップ(東京都)とIT企業サインポスト(東京都) の合弁企業、TOUCH TO GO(東京都/阿久津智紀社長)のAI無人決済店舗「TOUCH TO GO」だ。
JR「高輪ゲートウェイ」駅改札内に開業した同店は「ウォークスルー型の完全キャッシュレス店舗」。お客は店内で商品を手に取りレジゾーンで精算。決済は交通系ICカードに対応する。店側でカメラやセンサーによりお客がどの商品を手に取ったかを分析・把握するため、お客は精算時に商品スキャンを行う必要がない。従業員はバックヤードに1人が常駐するのみだ。
今後は同店舗システムの外販にも力を入れる。20年10月には紀ノ國屋(東京都)の新業態「KINOKUNIYASスットutto」に導入された。
13位 イオンスタイル 有明ガーデン
授賞理由
●非接触で会計を済ませられ、楽しみながら買物ができる
●「レジゴー」をはじめ最新技術を取り入れた店舗
●都市型の品揃えと簡便商品の設計が参考になる
●コロナ対策が秀逸
高質な品揃えの「都市型イオンスタイル」
13位は、イオンリテール(千葉県/井出武美社長)が複合商業施設「住友不動産ショッピングシティ 有明ガーデン」に出店した「イオンスタイル有明ガーデン」だ。
同店では「都市部で生活するお客さまのニーズに応えるイオンスタイル」をめざした。商圏内に比較的、所得の高い層が多いことから、高質商品の品揃えを充実。銘柄肉や、キヌアやケールを盛り込んだ総菜を販売するほか、「代替肉」として注目される大豆ミートの商品も揃える。
店内で購入した総菜をその場で味わえる「ここdeデリ」は約100席を用意。専用スマホを使って顧客自ら商品をスキャンし決済ができる「レジゴー」を都内の店舗で初めて導入している。
14位 ライフ コモレ四谷店
授賞理由
●コンパクトながら生鮮&総菜が充実。商品力・陳列技術もレベルが高い
●買物不便地域にワンストップで買物の場を提供
●平日と週末とで顧客に合わせて売場を変更するきめ細やかさ
●超都心型で、ミールキットやワンプレート冷食など簡便商品が充実
大型複合施設に入る都市型小型店
14位に入ったのは、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)が、大型複合施設「コモレ四谷」に出店した「ライフコモレ四谷店」だ。
商圏内に多い高所得者層のほか、コモレ四谷に入るオフィスのビジネスパーソンの利用も見込む。周辺には上智大学があり、学生も少なくない。そこで平日は会社員や学生の朝食・昼食ニーズに対応。土日はふだん使いの高所得者層向けに、高質商品を充実させる。
また、同社が展開する自然派SM「ビオラル」の商品を集積するコーナーも設置し、保存料不使用の味噌や酢、塩なども扱う。さらにビジネスパーソンの利便性を考慮し、総菜・ベーカリー売場を出入口近くに配置するほか、キャッシュレスセルフレジも導入している。
15位 ヨークフーズ新宿富久店
授賞理由
●セブン&アイの改革の意思が伝わってくる
●総菜の圧倒的な品揃え
●ヨークベニマル流が見てとれる総菜、精肉売場の競争力
●ミールキットの商品力が高い
●店内が明るくきれい
●海外の商品も充実していて、楽しく買物できる
「首都圏食品戦略」の都市型モデル
15位は、旧ヨークマートが商号変更し発足したヨーク(東京都/大竹正人社長)の「ヨークフーズ新宿富久店」だ。親会社のセブン&アイ・ホールディンス(東京都)が掲げる「首都圏食品戦略」を進めるうえでの旗艦店と位置づける。
ヨークは発足とともにセブン&アイ傘下の首都圏で展開するSMフォーマットを複数統合し、「ヨークフーズ」をはじめとした新フォーマットへの転換を進めている。同店はイトーヨーカ堂(東京都)の都市型SM「食品館」を改装した店だ。
青果売場を移設し総菜・ベーカリー売場と一体的に配置。とくに総菜は売場面積を拡大し、店内調理品を訴求する。また同じセブン&アイグループのヨークベニマル(福島県)流の売場づくりも各所に取り入れている。
16位 オーケー所沢店
受賞理由
●躍進するオーケーのチャレンジに感銘を受けた
●冷凍商品の強化やオリジナル商品の進化
●グロサリーの品揃えの絞り込みと徹底した低価格
●顧客目線を感じる品揃え
商業施設内に入る600坪タイプ
16位に入ったのは、オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)が大型商業施設「トコトコスクエア」地下1階に開店した「オーケー所沢店」だ。同社でも広い約1940㎡の売場面積を擁し、最新のMDを多数導入している。
なかでも生鮮3部門で拡充しているのが、需要が高まる冷凍食品だ。青果売場では同社初となる「凍眠市場」コーナーを導入。液体急速凍結方式の冷凍機を使い、産地で青果を凍結し、鮮度を維持した状態で消費者に届ける。
また、最近の大型店では非食品の売場を広げており、同店では医薬品の売場も展開する。二宮社長は「ドラッグストアに立ち寄らなくても日常に必要な商品がひととおり揃う品揃えを提供していきたい」と語っている。
17位 平和堂 石山
受賞理由
●店内加工のフルーツサンドや対面式のジュースバー、無添加の加工肉など、おいしさや健康を追求した商品が多数みられる
●対面式の鮮魚売場は、地場の魚も豊富で選ぶ楽しさがある
●コミュニティ機能強化のための独自の取り組みが素晴らしい
コミュニティ機能を加えた進化型GMS
17位は、平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)の総合スーパー(GMS)「平和堂石山」だ。スクラップ&ビルドによって新店として再スタートを切った店で、地域からの要望により再びGMSとして出店した。
集客の要とする1階の食品売場は、生鮮食品を強化すると同時に即食商品を拡充。鮮魚部門では丸魚を豊富に扱う一方、刺身や寿司にも力を入れる。青果部門では、店頭の素材を使ったジュースバーを設けるなど、最新のMDを取り入れた。
地域コミュニティを創出する店づくりにも挑戦している。イートインスペースでは専門店とも協力しながら料理教室などのさまざまなイベントを行う。またSNSの発信を通じた近隣住民との交流にも取り組んでいる。
18位 まいばすけっと祐天寺駅通り店
受賞理由
●今までのまいばすけっとにない大型店で魅力を感じた
●小型店の進化に感銘を受けた
●進化のスピードが最も速いと感じるSM
●ウィズコロナの生活に対応した店づくり
コロナ禍に応じた80坪の新タイプ
18位入賞は、イオン(千葉県)グループで小型SMを展開するまいばすけっと(神奈川県/岩下欽哉社長)の「まいばすけっと祐天寺駅通り店」だ。最近増やしている80坪タイプのやや大型の店で、お客と従業員双方のコロナ禍でのSMに対する意見や要望を反映させた。
出入口とレジにはウイルス除去効果を見込む装置を設置。自宅での調理機会が増えたことに対応し、簡便野菜や、簡便調理品の品揃えを強化した。売上好調な冷凍食品は、リーチインケースで扉13枚分を確保し、魚や肉の素材やミールキットなども揃える。
省力化による働きやすさも追求する。加工食品と非食品のゴンドラには、商品の前出し作業を自動で行う新型什器を導入。冷蔵・冷凍棚の温度管理の自動化も進めている。
19位 ビオセボン コレットマーレ店
受賞理由
●オーガニックの食品や日用品を手頃な価格で購入できる
●海外のウェルネス商品や、赤ちゃんにも安心して使えるオムツや離乳食などが揃う
●サステナブルな品揃えとサービスで、買物を通じてエコ活動に参加できる
話題の施設に入るオーガニックSM
19位は、イオン傘下のビオセボン・ジャポン(東京都/岡田尚也社長)がオープンした「ビオセボンコレットマーレ店」だ。
「ビオセボン」は、新鮮な生鮮食品と日常使いできる品揃えを追求するフランス発のオーガニックSMだ。ここ最近、新規出店を加速しており現在21店を展開(21年2月末)。同店は20年に大規模リニューアルし注目を集めた、神奈川県・横浜エリアの商業施設内に開業した店だ。
生鮮3品のほか、日配やグロサリー、総菜、化粧品、日用品、ベビー用品など、オーガニックの商品を中心に約2600SKUを揃える。既存店で人気のドライフルーツやナッツなどの量り売りコーナーも導入したほか、イートインも8席設けた(コロナ禍で現在は閉鎖中)
20位 KOHYO(コーヨー)神戸店
受賞理由
●「素材と総菜」「買物の楽しさと時短」をそれぞれ両立させた品揃え・レイアウトが素晴らしい
●駅チカのSMとは思えないくらい生鮮が充実している。利用しやすい
●セルフレジを導入し、非接触対応を進めている
●買物しやすい工夫された導線
新レイアウト採用で売上向上に成功
20位にランクインしたのは、光洋(大阪府/平田炎社長)の「KOHYO神戸店」だ。
駅高架下の商業施設に、任期満了に伴って再出店した店で、売場面積は959㎡とコンパクトなサイズだ。「15分でニーズを満たすSM」を掲げ、短時間で食卓ニーズが満たせる店を追求。これを実現するべく新レイアウトを採用し売上向上に成功しているのが特徴だ。
新レイアウトでは、総菜をはじめ即食商品だけを購入したい人向けと、生鮮3品を買い回りたい人向けに異なる導線を用意。精算時間短縮をめざして、レジを増設しセミセルフ・セルフレジのみで対応する。
小型ながら生鮮食品も充実させており、強みとする鮮魚部門では丸魚を豊富に揃える一方で、刺身や寿司といった即食商品も幅広くラインアップする。
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