「パスタ」がファストフードになる時代? サイゼリヤが新業態「伊麺処(パスタドコ)」を出店!

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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注文から90秒以内に商品を提供 

お客はレジカウンターで注文・支払いを済ませる仕組み。90秒以内に商品が提供される
お客はレジカウンターで注文・支払いを済ませる仕組み。90秒以内に商品が提供される

 伊麺処のウリは、注文を受けてから90秒以内で商品を提供するというスピーディなサービスにある。実はサイゼリヤは同様にセルフサービス形式のスパゲティ専門店「スパゲッティ マリアーノ」を都内および横浜市内で計5店舗展開しており、そこで蓄積した運営ノウハウをベースに伊麺処を開発した。

 客単価は650~700円を想定しており、この金額は主力フォーマット「サイゼリヤ」の客単価とほぼ同じ。しかし、サイゼリヤで499円の「ボンゴレ」が伊麺処では650円とやや高めの設定になっている。「サイゼリヤ」は商品単価を抑え、注文点数を増やすことで客単価を上げる戦略をとっているが、ファストフード業態である伊麺処では注文点数を増やすことは難しいと判断しての値付けだろう。そのぶん、パスタのソースやトッピングに高質の食材を用いるなどメニューに付加価値をつけている。

33㎡の超小型店の開発も検討 首都圏中心に500店体制めざす

 店舗面積については今後、100~130㎡を標準とする考えだが、「将来的には33㎡程度の小型店の開発も検討していく」(サイゼリヤの業態開発部川田文洋課長)という。従来のサイゼリヤのフォーマットでは出店が難しかった立地にも積極的に展開することで、出店の幅を広げたいねらいがある。

 また、運営人員についても常時3~5人程度を標準とするが、今後は2人体制でも運営できるようローコストオペレーションの構築を進めていく計画だ。

 サイゼリヤは今後、伊麺処を年間20店舗のペースで出店していく方針。都心部や鉄道沿線の繁華街、住宅地に近い駅前、さらにオフィスビル内やショッピングセンターなど幅広い立地を想定している。将来的には首都圏を中心に500店体制を築き、既存の「サイゼリヤ」業態に次ぐ事業の柱に成長させていきたい考えだ。

 

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