コロナ禍で総菜苦戦するSMが多いなか、原信・ナルスが前年売上をクリアした2つの理由

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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総菜新戦略

「日常の食卓」と「外食の代替」の双方に対応し、5月下旬には売上回復!

新潟県に本拠を構えるアクシアル リテイリング(原和彦社長)傘下の食品スーパー(SM)である原信(同)とナルス(森山仁社長)も、コロナ禍で総菜の売上が低迷した。そうしたなか原信・ナルスは迅速に対応策を打つとともに、新規商品や企画を投入。5月下旬には、対前年同期比を超えるほどの総菜の売上回復に成功している。

日替わりで定番品を特売価格で訴求

原信ナルスオペレーションサービス商品本部生鮮部惣菜チーフバイヤーの田辺聡子氏
原信ナルスオペレーションサービス商品本部生鮮部惣菜チーフバイヤーの田辺聡子氏

 4月上旬の緊急事態宣言の発出に伴う外出自粛により、家庭で調理をする人が増えたことなどを受け、原信・ナルスの4月の総菜部門売上高は対前年同月比で90%台前半まで落ち込んだ。

 この状況から脱するため、原信・ナルスでは、売上実績を品種や単品ごとに分析し、スーパーバイザーやトレーナーとも状況を共有しながら、売場改善や販売強化の手を入れていった。

原信ナルスの「ごちそうメニュー」の売場
外食がなかなかできない状況を受けて、家庭内でちょっとした贅沢気分が味わえる「ごちそうメニュー」の提案に力を注ぐ

 まず注目したのが、緊急事態宣言下ではお客の来店時間が大きく変化した点だ。客数が午前中に集中し、夕方は激減していたのだ。そこで原信・ナルスでは、午前中に人員を多く配置し、総菜の製造開始時間を早め、販売機会ロスを低減できるようにした。

 次に、コロナ禍では総菜部門のなかでも大きな売上を稼ぐバラ売りが、衛生面の問題からできなくなってしまった。そこで焼き鳥や「塩するめ天ぷら」「彩り野菜スティック天ぷら」など、

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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