週刊スーパーマーケットニュース ベルク上期決算増収減益も通期では増収2ケタ増益見込む

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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ベルク和光西大和店

 食品スーパー(SM)企業の上期決算が続々発表されているが、「増収減益」決算が目立っている。月次ベースの既存店売上高では常に好調をキープしていたベルクもその一社となった。ベルクの252月期第2四半期決算(連結2431日~831日)は、営業収益が対前年同期比11.5%増の1896億円と2ケタの伸びとなったが、営業利益が同2.3%減の90億円、経常利益は同3.2%減の92億円となり、増収減益で上期を折り返した。

 徹底的な価格強化が顧客の支持を得て堅調に推移したが、商品調達価格や賃金の上昇に伴うコスト増により、利益を減らした。

 売上総利益率は同0.5ポイント低下して27.1%。売上総利益は441100万円増の506700万円で、営業収入を含めた営業総利益は469100万円増の5374300万円となったが、人件費が同12.9%増、販売直接費が同17.2%増、設備費が同6.1%増、管理費が同14.7%増で推移した。販管費合計で同12.3%増(49400万円増)の447800万円となり、営業利益は21300万円減少して903500万円となった。

 なお、上期に実施した販売政策、商品政策、店舗運営、物流効率化などが計画通りに進捗していることから、引き続き高い収益性を維持する模様だ。252月期の連結業績については、営業収益で同7.1%増の3767億円、営業利益で同20.8%増の175億円、経常利益で同17.8%増の176億円と、増収・2ケタ増益を見込んでいる。

セブン&アイ・ホールディングス
最上級PBから初の中華まん

 「セブンプレミアム ゴールド」から「江戸清 金の肉まん ふかひれ入り」(税込429円)を、1014日から全国のイトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨーク、イズミの約550店舗で順次発売。老舗「江戸清」との共同開発商品で、4年の歳月をかけて、素材選びから味付けまで、試作を重ねて完成したこだわりの一品だ。

日本生協連
全国生協の総事業高は3兆7379億円

 全国の547生協について、2023年度の経営状況を取りまとめた。生協組合員数は、前年から22万人増加して3063万人。都道府県別の世帯加入率で50%を超えたのは、前年と同じく、北海道、岩手、宮城、福井、兵庫、宮崎の6道県だった。

 商品売上などの供給高に共済、福祉などの事業収入を加えた総事業高は、284億円増えて37379億円となった。地域生協の総事業高は303億円増の31479億円。うち宅配事業の供給高は横ばいの2904億円で、店舗事業の供給高については対前年比3.4%増の9465億円と伸長した。

アークス
<中間決算>増収も営業・経常利益は減益

 20252月期第2四半期決算(連結、2431日~831日)は、売上高が対前年同期比3.6%増の3027億円、営業利益が同9.7%減の71億円、経常利益は同9.5%減の79億円となり、増収減益で上期を折り返した。

 上期は、「地域共生としての地産地消の深化」「中食・内食需要への対応強化」「“協業の力”による価格競争力と差別化」の3点に重点を置いた営業活動を展開した。

 店舗については、既存店の活性化として、ラルズ2店舗、ユニバース3店舗、ベルジョイス5店舗のほか6店舗の計16店舗で改装を実施。うち6店舗はスーパーアークス業態への転換を行った。

 既存店ベースでは、物価高・節約志向の環境下、客数は同0.4%減となったが、客単価が同3.4%増となり、既存店の売上高は同3.0%増と堅調に推移した。

 連結上期の売上総利益率は同0.2ポイント落として24.9%。販管費は予算内に止まったものの、人件費の増加などもあり、販管費率が同0.2ポイント増えて22.6%に膨らみ、営業利益は前年同期に比べて77300万円減少した。

 なお、252月期の連結業績については、売上高で同3.6%増の6130億円、営業利益で同2.8%増の173億円、経常利益で同2.0%増の188億円を計画し、増収増益を見込んでいる。

<ラルズ>廃食油の地産地消ローカルSDGsモデルに参画

 小樽市を中心とする地域全体のサーキュラーエコノミーとゼロカーボンシティの実現をめざす取り組みを発表する「小樽市Roa(d)cal SDGs発表会」(1010日)に、スーパーマーケットを代表して参加した。ラルズは6店舗に家庭の使用済み食用油や消費期限切れの食用油を回収するボックスを設置。これまでリサイクルを進めてきたが、田中鉄工(佐賀県)と連携し、小樽市の道路舗装に使用するアスファルト製造燃料として利活用する、循環型の地産地消ローカルSDGsに参画していく。

ヤマザワ
<中間決算>営業・経常赤字

 25年2月期第2四半期決算(連結24年3月1日~8月31日)は、売上高が対前年同期比0.6%増の509億5800万円となったが、6億8200万円の営業損失、2億7500万円の経常損失を生じた。

 上期は、人件費の単価やエネルギー価格などの上昇が予想を上回ったことや、原材料高騰に対応した価格転嫁をスムーズに行えなかったことなどから必要な売上総利益を確保できず、利益損失を生じた。

 スーパーマーケット事業は、既存店5店舗で改装を実施し、1店舗を閉店。売上高は同0.8%増の445億900万円となったが、ドラッグストア事業は、1店舗を新規オープンしたものの、ヘルスケア商品の伸び悩みや天候不順による化粧品販売への影響などもあり、売上高は同0.7%減の64億4500万円と苦戦した。

 連結上期は、売上原価の3億1400万円増の368億9500万円に対し、売上総利益は600万円減の140億6200万円。売上総利益率は0.2ポイント悪化して27.6%となった。一方、販管費については、給料が2億800万円増、減価償却費が6300万円増、その他が9億3900万円増となり、合計では12億900万円増の147億4500万円だった。売上総利益の減少と販管費の増加が、営業損失6億8200万円につながった。また、営業外収益で補助金収入や電子マネー退蔵益などを含み4億3800万円を計上したが、経常損失は避けられなかった。

 25年2月期の連結業績については、売上高で同0.4%減の1015億円、8億円の営業損失、5億円の経常損失を見込んでいる。

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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