最盛期70億円の旗艦店を大改装!ヤマナカ新中島店で導入した「新MD」とは?

取材・文:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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ヤマナカ(愛知県/中野義久社長)は 2022年3月4日、「ヤマナカ新中島店」(愛知県名古屋市:以下、新中島店)をリニューアルオープンした。同社のなかでも重要なドミナント形成エリアに立地する店舗で、最新のMD(商品政策)の導入によって売上が増加する効果が出ている。具体的にどのような店づくりを行っているのか、レポートする。

「店舗カルテ」で課題分析、売場対策に落とし込む

 新中島店は、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線「中島」駅から北西へ約1㎞ に立地する。ヤマナカにとって、重要なドミナントを形成する名古屋市南エリアの中核に位置する店舗だ。直営の食品売場と衣料品専門店のほか、100円ショップや美容室、書籍店など10店以上のテナントを誘致し複合商業施設を形成している。

ヤマナカ新中島店
2022年3月4日、改装により新MDを導入した新中島店
ヤマナカ新中島店 店舗概要
●所在地: 〒454-0932 愛知県名古屋市中川区中島新町2丁目202
●営業時間: 9:30~21:50
●売場面積: 1900.8㎡(1階食品売場)
●駐車台数: 468台(施設共用)
●従業員数: 正社員16人、パート・アルバイト75人
●年間売上目標: 28億円

 商圏の特徴は、店舗から半径1㎞圏内に約1万2000世帯/2万4000人が居住する、人口の多いエリアだ。世代別人口構成比では40代が最も多い一方で、60代以上の高齢者比率が26.1%と県平均より数ポイント高い。世帯別人員数は、単身と2人世帯の割合が合わせて約65%と高い。

 1991年に開業した同店は、ピーク時には食品売場だけでも年商70億円超を稼ぐ、ヤマナカの中でもトップクラスの売上を誇る店舗だった。しかし、近年は商圏内に多くの競合店が参入。店舗から半径約1㎞ 圏内には競合店がほとんどないものの、同1.5㎞ 圏内では、「バロー」「マックスバリュ」などの食品スーパー(SM)が3店、「スギ薬局」「ウエルシア薬局」などのドラッグストアが約10店も営業し、熾烈な競争を繰り広げている。こうしたなか改装前の年間売上高は23億円まで減少していた。

 そこでヤマナカは、新中島店の大改装を実施。これにより名古屋市南エリアにある新中島店を含む計4店の商圏シェアを2021年度の8.4%(年間売上高67億円)から24年度までに9.5%(同76億円)まで高めたい考えだ。

 改装に当たって活用したのが、

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取材・文

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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