100年企業!ヤマナカ中野義久社長が語る「永続の秘訣と新たな戦略」

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:フリーランスライター:松岡由希子
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東海3県を事業エリアに食品スーパー(SM)を展開するヤマナカ(愛知県)は2022年2月で創業100周年を迎えた老舗のSM企業だ。現在は標準フォーマットの「ヤマナカ」と食へのこだわりを追求した「フランテ」業態を約60店展開している。100年永続の秘訣と、今後の成長戦略を中野義久代表取締役社長に聞いた。

根幹にあるチャレンジ精神、時代に先んじて価値提案

──創業から100年以上も栄えてきたヤマナカの強みについて教えてください。

ヤマナカ代表取締役社長 中野 義久氏
中野 義久(なかの・よしひさ)
●1956年愛知県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、米国バブソン大学にてMBA取得。東一東京青果(現・東京青果)の勤務を経て1985年にヤマナカへ入社。1990年に取締役就任後、関係会社社長も兼任。1997年から現職。

中野 1922年に塩干品を扱う小売店として創業したヤマナカは、企業理念をきちんと継承しながら、それぞれの時代に合わせて“脱皮”し続けてきました。「来たる時代に対してどのような価値を提供するか」を常に先んじて考え、積極的にチャレンジする精神が社風として根付いています。

──名古屋市を中心とする中部エリアの競争環境をどのように見ていますか。

中野 中部エリアには外部から参入しづらい独特の地域性がありましたが、20年ほど前から近県の食品スーパー(SM)やナショナルチェーンが参入し始めました。近年は業態のボーダレス化が進んでドラッグストア(DgS)やディスカウントストア(DS)ら他業態も交えた複合競争となり、SMはM&A(合併と買収)などによって寡占化しつつあります。このような競争環境のもとでSMとしての使命を果たし、その役割をどのように発揮していくのかが問われています。

生鮮を「上質量販」「ならではの商品」を拡充

──競争が激化する中部エリアで「ヤマナカらしさ」をいかに発揮していますか。

中野 ものづくりが盛んな中部エリアはしっかりとした経済的基盤があり、人口減少のペースがやや緩やかな点で恵まれています。一方で、ほかのエリアと比べて価格に対する消費者の反応が非常にシビアで、価格志向のSMが多い傾向にあります。

 こうしたなかヤマナカは、品質を重視した政策をとり、付加価値志向で差別化を図ってきました。

 近年は

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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