大黒天物産
ESLPによる地域最安値をめざす
高速多店舗化出店を推進
大黒天物産は中国・四国・関西・中部・九州でディスカウントストア(DS)を展開する。食品を中心とする「ディオ」や商業施設の核店舗となる大型店舗の「ラ・ムー」がある。店舗数は中国81店舗、近畿65店舗、四国24店舗、九州31店舗、中部32店舗の計233店舗だ(2025年5月末)。
同社は1986年、加工食品の卸売を目的に岡山県倉敷市に倉敷きのしんが設立されたことに始まる。93年倉敷きのしんを組織変更し、加工食品の卸売および食料品・日用雑貨の販売を目的に大黒天物産に改組された。97年にディオ1号店を出店、2003年にラ・ムー1号店を出店した。
25年5月期は、「魅力ある店づくり6項目」(価格、品質、売場、活気、環境整備、接客)の徹底をスローガンに掲げた。ESLP(エブリデイ・セーム・ロープライス)による地域最安値価格をめざすことに加え、自社開発商品の中身を分析し改良を重ねた「高品質・低価格」の商品を前面で展開するほか、自社物流の構築による物流コスト削減、産地からの最短定温物流による生鮮食品の鮮度向上に取り組んだ。
出店については、高速多店舗化出店を掲げ、店舗数の増加によって中国および関西の両センターの稼働率を上げることでコスト削減を図った。25年5月期は、滋賀県に3店舗、愛知・徳島・石川の各県に2店舗、大阪・兵庫・岡山・鳥取・山口・愛媛・富山・三重・熊本・佐賀の各府県に1店舗の計19店舗を出店した。そのうち1店舗は100%センター供給店舗フォーマットで、従来に比べて出店コストと店舗運営コストの削減を実現した。24年5月期に佐賀県への初出店、25年5月期には富山県への初出店と出店エリアの拡大も進めている。一方、既存店の活性化を図るため、2店舗を建て替え、7店舗を改装した。26年5月期は30店舗の新規出店、11店舗の既存店改装を計画している。
目標とする経営指標数値はROE(自己資本当期純利益率)10%以上、ROA(総資産経常利益率)15%以上だ。25年5月期はROE 11.7%、ROAは9.1%だった。
代表取締役社長 : 大賀 昭司
| 売上高 | 売上高 総利益率 | 売上高 営業利益率 | 売上高 販管費率 | 売上高 経常利益率 | 売上高 当期純利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 242,243百万円 | 22.4% | 1.8% | 20.6% | 1.9% | 1.2% |
決算期:2023年5月 / 連結









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