神戸物産、外食事業でもローコスト運営を志向! 「神戸クック・ワールドビュッフェ」の新戦略

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
Pocket

「業務スーパー」をフランチャイズ展開する神戸物産(兵庫県/沼田博和社長)は近年、外食・中食事業にも注力している。その中核として育成を進めるのが、ビュッフェ業態「神戸クック・ワールドビュッフェ」(以下、ワールドビュッフェ)だ。ドリンクメニューを含めて世界各国のメニュー約100種類を提供し、主婦層やファミリー層から高い支持を獲得している。同業態のローコスト運営体制と成長戦略に迫る。

ワールドビュッフェ
「神戸クック・ワールドビュッフェ ニッケパークタウン加古川店」

神戸物産の外食・中食の中核事業「ワールドビュッフェ」とは

 神戸物産が、外食・中食事業の中核として育成を進めているのが「ワールドビュッフェ」だ。2006年に「世界各国のさまざまな料理が楽しめるビュッフェ」というコンセプトを掲げて誕生。FC(フランチャイズ)出店を中心に、現在は全国に17店舗を展開する。

 ビュッフェでは、鉄板料理・ピザ・パスタ・カレー・ラーメン・スイーツ・サラダ・スープなどの定番メニューに加え、韓国・イタリア・中華・アジア料理・北欧など世界各国の料理をテーマにした期間限定のフェアメニューを年6回開催。ドリンクメニューを含めて約100種類を揃えている。価格は平日ランチが1540円(以下、税込)。ディナーが1650円、土・日曜、祝日はそれぞれ1980円、2090円(一部店舗によって料金が異なる場合あり)とリーズナブルで、主婦層やファミリー層を中心に支持を集めている。

ワールドビュッフェ。常時100種類以上の料理を揃えている
ワールドビュッフェではドリンクメニューを含めて世界各国のメニュー約100種類を揃えている

 リーズナブルな価格帯ながら豊富な料理を揃えるワールドビュッフェの運営を支えているのが、商品構成と物流体制を軸にした徹底的なローコストオペレーションだ。

 たとえば提供商品ごとに調理方式を最適化することで、顧客満足と効率的な店舗運営の両立を図っている。鉄板料理やピザ、パスタ、ラーメン、クレープといった調理ライブ感のあるメニューはオープンキッチン形式で提供。焼きたて・出来たてといった付加価値を訴求し、顧客満足度の向上につなげている。

 一方で、スープやカレー、サラダ、和総菜などはバックキッチンで1日分をまとめて調理する方式を採用。これにより調理工数の削減と人件費の抑制を実現している。

 さらに、物流面では食材を個数単位ではなくケース単位で一括納品するほか、「業務スーパー」と共通の物流網を活用することで、配送コストの圧縮につなげている。

1 2 3

記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修士課程修了後、関西のグルメ雑誌編集部を経て、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。関西小売市場やDX領域を中心に取材・執筆を担当している。現在は大阪府在住。

まとまった休日には舞台・映画鑑賞を楽しむほか、那智勝浦へ弾丸旅行に出かけることも。世界各国の家庭料理を再現するのも趣味のひとつだが、料理に入れたスパイスで歯が欠けたので今は控えめに取り組んでいる。

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態