Tシャツの「グラニフ」がフォーマットを大転換! アパレル脱却で5年で売上高約3倍をねらう

2021/09/09 05:55
    「ダイヤモンド・チェーンストア」記者 若狭靖代
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    デザインTシャツを主に販売するアパレルブランド「graniph」(グラニフ)を展開するグラニフ(東京都/村田昭彦社長)は、創業20周年を機にリブランディングを実施すると発表した。あわせて、リブランディング後の新フォーマットを採用した初の店舗として9月8日、「グラニフ原宿店」(東京都新宿区/以下、原宿店)をオープンする。グラニフがめざす新たな方向性と、それを象徴する原宿店の様子についてレポートする。

    リブランディングで売上高300億円をめざす

     有名キャラクターとのコラボTシャツや、オリジナルキャラクターのデザインTシャツで幅広い世代から人気を集めてきたグラニフのリブランディングの内容は、一言で表せば「アパレルからの脱却」だ。これまで、グラニフが取り扱ってきたアイテムはアパレル領域が100%。これを2026年にはアパレル領域と、服飾雑貨・生活雑貨などの非アパレル領域で50%ずつのシェアとし、約3倍の売上高300億円をめざす。Tシャツ販売でこれまで支持されてきたグラニフが、なぜアパレル比率を下げようとするのか。

     当然価格帯がグラニフよりも低いユニクロのUT(UTは1500円、グラニフは2200円が価格帯のベース)との競争もあると考えられ、アパレル企業が同質化しやすいアパレル以外に活路を見出すケースは珍しくない。ただし、今回のグラニフの戦略には、発想の転換ともいうべき次のような考え方がある。グラニフの本分は、個性的でおしゃれなTシャツという製品そのものではなく、プリントされているグラフィックの方にある、というものだ。グラニフでは、年間100種類以上のオリジナルコンテンツを制作する一方、年間約50種類(21年実績)のコラボも実施している。コラボ先はアート、アニメ、漫画など多岐にわたるが、コラボ相手を徹底的に知ることで差別化を図ってきた。「例えば漫画なら、全巻購入して徹底的に読み込む」(村田昭彦社長)ことで、人気キャラクターのデザインをただTシャツにするだけではなく、「知っている人や(コラボ先の)ファンから見れば思わずニヤッとするような商品ができる」(村田社長)という。

     オリジナルコンテンツを含め、こうしたグラフィックの開発力の高さがグラニフの強みであり、プリントするのはTシャツに限らなくてもよい、というのが、今回のリブランディングの根底に流れる考え方だ。グラフィックを軸としたビジネスモデルの強化を図ることで、「デザインTシャツストア」から「グラフィックライフストア」への転換をめざす。

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