マッシュグループが英老舗ライフスタイルブランド「バブアー」を日本で販売する意外な理由とは

2023/07/19 05:55
小内三奈
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2022年9月から、イギリスの老舗ライフスタイルブランド・バブアーの販売をスタートしたマッシュホールディングス(東京都/近藤広幸社長)。1894年創業、まもなく130周年を迎える歴史あるブランドとして全世界で愛され続けるバブアーの理念を引き継ぎ、ファッション業界に新たな価値観を発信する。その価値観は今の時代がもとめるファッションの在り方とうまく合致し、販売も好調だ。「良いものを長く大切にする」というブランドのコンセプトを、幅広い世代に性別問わずいかに広めていくのか。マッシュスタイルラボ専務取締役、バブアー パートナーズ ジャパン代表取締役社長の濱田博人氏に聞いた。

「サステナブル」「ジェンダーレス」「長く着続けられる」がコンセプト

バブアーパートナーズジャパン代表取締役社長
マッシュスタイルラボ専務取締役、バブアー パートナーズ ジャパン代表取締役社長の濱田博人氏

 バブアーの日本での販売ライセンスをもつのは、ジェラート ピケをはじめ数多くの自社ブランドを展開するマッシュホールディングスが100%出資するバブアー パートナーズ ジャパンである。マッシュグループにはすでに自社で立ち上げた20のファッションブランドがあるが、数年前から、歴史ある海外ブランドが長く愛される背景や歴史、共感できる理念などに学びを得ながら手を組むことでグループ全体の成長につなげていこう、という動きがあったという。

 そんな中、TSI傘下のナノ・ユニバース社長からマッシュグループに入社した濱田博人氏が、協業先の伊藤忠商事から紹介を受けたブランド候補の一つがバブアーだった。

 濱田氏は「バブアーといえば、英国王室御用達で約130年の歴史がある、広く国民に受け入れられているブランド。そしてブランドの理念の一つが、『親子代々長く着られる』『サステナブル』なライフスタイルを提案すること。マッシュグループが大切にしたいブランド像と見事に一致したと感じた」と話す。

 さらに、「これまで、日本ではバブアーといえばワックスジャケットというイメージで、男性客が中心。しかし、英国では性別に関係なく楽しめるアイテムが揃っており、『ジェンダーレス』なファッションである点も時代にマッチしていると感じた」と続ける。 

 「こうしたコンセプト、さらに、一朝一夕では作り上げることができない、受け継がれている歴史や文化も含めてバブアーの価値を日本にも伝えていきたい」

 そこで、伊藤忠商事が英国バブアーとの間で独占輸入販売権を取得し、伊藤忠商事を通じてバブアー パートナーズ ジャパンが販売権をもつ形で日本でのブランド展開を行うことが決まった。

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