サッポロビール 代表取締役社長 髙島 英也
ものづくりを原点に「オンリーワン」の価値を積み重ね 市場に挑み続ける!

聞き手=下田健司 構成=堂森香代
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18年も引き続きビールを強化、さらなる需要拡大をめざす

──18年はどのような施策に力を入れますか。

髙島 18年は、「続・ビール強化」を事業方針に掲げ、総需要が落ち込むなかにあっても3年連続で売上増を達成したビールブランドの強化を継続し、市場での存在感を高めていきたいと考えています。

 「サッポロ生ビール黒ラベル」は、今年も「完璧な生ビールを。」というテーマのもと、良質な世界観と「完璧な生ビール」を体験していただく機会を拡充し、4年連続の売上増をめざします。

 「ヱビス」ブランドは、「日常接点の創出」をテーマに、日常生活の中にある“めでたさ”にフォーカスして消費を推進し、飲用機会の拡大を図ります。

──具体的な施策をお聞かせください。

髙島 「サッポロ生ビール黒ラベル」は、ブランド接点として好評を博している「THE PERFECT BEER GARDEN」や「THE PERFECT DAYS」、「THE PERFECT BAR」の開催に加え、今年は新たに「パーフェクト黒ラベル」を提供するキッチンカー「THE PERFECT STAR WAGGON(ザ・パーフェクト・スター・ワゴン)」を展開する予定です。

 「ヱビス」ブランドは、「ミシュランガイド東京、京都・大阪 2018」を主催する日本ミシュランタイヤ社とのパートナーシップ契約締結や、日本のどこかで数日だけオープンするプレミアムな野外レストラン「DINING OUT」への協賛など、外部パートナーとの取り組みによりブランド価値のいっそうの向上を図ります。また、2月20日には「ヱビス 華みやび」をリニューアル発売し、新たなビールユーザーへのアプローチを強化します。

 なお、新ジャンルでは、糖質ゼロ、プリン体ゼロ、人工甘味料ゼロに加え、低カロリーナンバーワン(注3)を実現した「サッポロ 極ZERO 爽快ゼロ」を新発売しました。さらに3月には、発売10年目を迎える「サッポロ麦とホップ」をリニューアルします。

注3:国内大手メーカーより現在発売されている糖質ゼロのビール類において(サッポロビール調べ2017年10月現在)

──RTDについてはどういった戦略をお考えですか。

髙島 RTDにおいては、「驚きをカタチに」を基本方針として、オンリーワンの価値がある商品づくりをめざします。4月には、女性にストロング系の商品が受け入れられているという市場トレンドを背景に「りらくす」というブランドを新たに投入します。18年のRTD開発の方針としては、「コラボ戦略」「『梅』と『レモン』」のほか、「新機軸商品」を柱としており、「りらくす」はそれを具現化した商品です。

──小売業の方に最も伝えたいことは何ですか。

髙島 当社は、明治時代に北海道開拓使によって設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツに持つ会社です。創業以来140年以上、おいしいビールをつくるため原料から徹底的にこだわり、ビール大麦とホップの育種・栽培に挑戦するなどつねに研究と開発を繰り返してきました。一過性のブームに流されず、本当においしいビールを追求し続けるクラフトマンシップが社内に連綿と受け継がれています。

 また、農業をビールづくりの原点ととらえ、生産者の方々のものづくりへの姿勢や努力を付加価値としてお客さまに伝えていくことが私たちの使命だと考えています。生産者のみなさまに安定的に良い原料をつくり続けていただくためにも、ほかにはない「オンリーワン」の価値を持った商品を提案し、それを積み重ねていくことで市場での存在感を高めていくことが重要です。

 今後も多くのお客さまに選ばれ、売上に貢献することで、小売業さまにも価値を認めていただけるような存在となることをめざしていきます。

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