成長のため出店・インフラ整備に積極投資=ヤマザワ 板垣宮雄社長

2014/01/16 12:00
チェーンストア・エイジ:下田健司
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販売計画に基づいて製造 サンコー食品の強み生かす

──宮城県に開設するサンコー食品の工場では、どんな商品を製造するのですか。

板垣 宮城県の工場は、山形県にある工場に次いで2カ所めになります。すでに用地を取得済みで、現在、何を製造するか検討しているところです。14年度には着工したいと考えています。

 食品工場では、たとえば豆腐の製造ラインだけで1億円ほどの資金が必要になります。資金もかさみますから、将来的に何を製造していくのか、それが当社にとって、競争相手と戦える商材になっていくのかを見極める必要があります。

 店舗数が増えていけば、サンコー食品の売上も伸びていきます。それに伴って仕入れ原価も下がり、連結ベースで利益が出る体質になっていきます。工場の運営効率が上がれば単価を下げることができ、それを武器に戦うことができます。これが、当社の強みの1つと考えています。

 サンコー食品は現在、豆腐・納豆・こんにゃく・油揚げ・麺類・牛乳・弁当・寿司・総菜などを製造しています。店内では出来立て、つくりたてといった、価格ではないニーズに応える商品、工場では大量に製造したほうが味の均一化を図ることができ、かつ単価の安くなるような商品をつくります。店内でつくるものと、サンコー食品の工場でつくるものと、うまくバランスをとる必要があります。

──SM業界では、製造小売のビジネスモデルを志向する企業が増えています。

板垣 製造小売は、これからのSMにとって利益の源泉になるでしょう。仕入れと販売の鞘だけで利益を残すというのは、これから難しくなっていくのではないでしょうか。原材料の供給先から相見積もりをとってコンペをすることで、仕入れ原価も下げられます。原材料の調達から手がけ、商品をつくることによって、利益を出すことができるのです。

 サンコー食品は、ヤマザワの販売部門と一体化しています。当社の担当者とサンコー食品の担当者で協議をして、特売期間、販売価格、販売数量などの計画に沿って製造していきますから、ロスも少なくなります。サンコー食品にとっては営業マンも不要ですから、営業にかかるコストも少なくて済みます。どれだけ売れるかわからないものを製造しているわけではありませんから、経費コントロールも計画的にできます。結果として、サンコー食品の利益貢献度は高くなるのです。

──プライベートブランド(PB)には、サンコー食品以外に、共同仕入れ機構のニチリウ(大阪府/夏原平和社長)の商品もあります。PB全体については、どのように考えていますか。

板垣 PBは利益貢献につながるということが大きなメリットです。現在、ニチリウ商品と自社開発商品を合わせて、全体で12%程度です。これを20%程度に引き上げていきたいと考えています。当社はSMで売上900億円規模の企業ですから、決して一定規模の仕入れ数量がまとまるわけではありません。ですから、ニチリウのPB「くらしモア」を強化して販売していこうと考えています。東北地区で、ニチリウ加盟企業は当社だけですから、ほとんどオリジナル商品のようなものです。

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