お客に選ばれる魅力ある店づくりは、トップダウン型では難しい理由

成田直人
Pocket

こんにちは、成田直人です。経営相談の中には「新型コロナウイルス(コロナ)がなければ今頃・・・」という一言をたくさん聞きます。たしかにコロナで売上激減の企業もあれば逆にステイホームで売上を伸ばした企業もあるでしょう。
売上が激減した経営者からしてみれば、業績が伸びた企業の話を聞くと「運が良い」と言いたくなるそうで、私は話を聞き終わった後に「実力ですよ」とそっと伝えるようにしています。

FG Trade / iStock
FG Trade / iStock

コロナ禍でも持ち直した企業は、常に未来に向けた準備をしている 

 時としてコンサルタントは大好きなクライアント(相談段階も含む)に厳しい言葉を投げかける必要がある(私は比較的ガンガン指摘するタイプですが)ものです。売上を上げ続けるためにはリスク分散だってしなければいけないし、常に未来にむけた準備をしていく必要があります。しかし、現状が良いからと未来の準備を怠るとどうなるのか。いざ危機的状況になると何もする余力がなく(打つ手がない)、希望を失ってしまいます。そうならないためにも日頃から学び続けて未来への投資をしていくことが重要です。

 私のクライアントの多くは会社の売上が好調なタイミングで当社に依頼してくださっている場合がほとんどです。「今は調子が良い、しかしこれがずっと続くとは思えないので店長教育を通して未来に繋がるアイデア(店長研修で作り上げる)を今から仕込んでおきたい」と常に未来に対して準備をしています。ですからコロナ禍において一時的に業績は落ちましたが、すでに持ち直し、忙しい毎日を過ごしています。

 理由は他店が停滞している最中も顧客を虜にするより良いアイデアをずっと作り続けてきたからです。好不調企業を見ていて、改めて顧客はコロナ禍において「いきたい店にだけいく」という価値観が明確になったと実感しています。自分のことを誰よりもどの店よりも大切にしてくれるパーソナルな繋がりがある店にだけ足を運ぶ、自分が特に好きな(価値観が合う)インフルエンサーの店(影響力、発信力の強い店)にだけ足を運ぶ、という限定的な意思決定で店選びをしています。

1 2

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態