お客に選ばれる魅力ある店づくりは、トップダウン型では難しい理由

成田直人
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ボトムアップ型のアイデアが優れている理由

 この中でどうしたら選ばれるのか?答えは明確です。「選ばれるにふさわしい魅力的な店を作る」です。

 とてつもなくシンプルで当たり前な回答をしてしまい申し訳ないくらいなのですが、結局のところファンをどれだけ創造できてきたのか?これからできるのか?だけなのではないかと思っています。

 お客さまは「飽き性」です。なぜなら店舗の選択肢は無限にあるから。その中で選ばれるためには飽きられない工夫が必要です。それは商品やサービスの質が変わり続ける(進化し続ける)ことなのですが、この努力を怠ってしまうとすぐに飽きられます。一昔前はブームもある一定期間続きましたし、その後もいくつかは定着して残っていました。

 しかし近年のブームはワンシーズンで過ぎ去ってしまっています。この厳しさを生き残れるかは、価値観の急速な変化に企業がついていけるか?にかかっています。

 選ばれる難易度が高まったからこそ顧客を魅了し続けるアイデアで溢れる店づくりをしていきましょう。そのために大事なことは、鶴の一声で販促をトップダウンで落とし込むのではなく「ボトムアップ」です。

 トップダウンは画一的な特徴があるため同業目線で見てもありきたりであることが多いです。一方、もっとも顧客の価値観やニーズの変化をキャッチしている現場発のアイデアを形にするのです。その知見を生かさない手はありません。しかし、いきなり「アイデアない?」と尋ねたところで、アイデアは出てきません。なぜなら、トップダウンに慣れているからです。

 だからこそ主体性を育む上下間のコミュニケーションと人材教育が欠かせません。いきなりアイデアを出せ!と言われても出せないものなので、アイデアを出しやすい環境(良い人間関係)と、忙しい中でも商品勉強やPOPづくり、レイアウトの勉強会が欠かせないのです。

 店長がビジネス書を読んで、見様見真似でやってもいいじゃないですか。従業員の教育を通してスタッフ個人個人の表現力を高めることでアイデアは自然と生まれるようになります。ぜひコロナ禍における店づくりの一助になったら嬉しいです。

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。

 

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