アフターコロナで爆発的に増える離職を食い止める方法

成田直人
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スタッフの言う理想は、現実の裏返し!

  では、店長やマネージャーはこれを受け、どんな自己評価をする必要があるのでしょうか?それは、「現実はすべて真逆である」ということです。「仕事の難易度が高い」「店長の言っていることがコロコロ変わる」「メンバー同士が仲悪い・いじめがある」「仕事がつまらない(単調すぎる)」「笑顔がない(余裕がない)」と変換することができます。厳しいですが、これが現実であると受け止めることが重要です。

 店長やマネージャーに突きつけられた現実から逃げずに、一つ一つ向き合うことが大切です。とはいえどこから手をつけたらいいのかわからないですよね。そのために「挙げてくれた5〜10個の理想のうち、これだけは外せない!というベスト3を挙げるとしたらどれかな」と聞いてみてください。

 そして、スタッフの価値観の中で最も重要な3つの理想を叶えることを約束してください。時間をもらい、具体的なアイデアを次回の面談の際に提示しましょう。例えば仕事の難易度が高い→もっと簡単にする、という曖昧な解決策(アイデア)ではなく、今後は仕事(業務)の手順を必ず教育する時間を確保する、と具体的に提示しましょう。

 そうすることでスタッフは「店長は私を大切にしてくれている」と感謝の気持ちを抱きます。スタッフも人なので働く環境において「自分自身が大切にされている」という感情を大切にしています。まるで機械のように扱われるとすぐに離職をします。今は辞めてもすぐに次の働く場所が見つかる時代、だからこそ留まるにはそれなりに理由が必要になります。人材不足の店が多く、日頃の店内(社内)コミュニケーションが希薄化しやすい環境だからこそ、コミュニケーションを取ることが大切です。

 「コロナウィルスを機に辞めようかな」と思っているスタッフにもう一度振り向いてもらうためにも、「関係性」の構築に急ピッチで取り組みましょう。そうすることで終息後も店舗(組織)の戦力として活躍してくれるし、スタッフ一人ひとりの理想(願望)を皆さんはすでに知っているわけですから、それを形にして、従業員満足度を高めていくことができます。

 今回踏みとどまり力をつけることで、また日常が戻ってきたときに高いモチベーションで仕事に全スタッフが当たれるよう、しっかりとスタッフ一人ひとりと向き合っていきましょう!

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。

 

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