最大6%の値引き+ポイント!ローソンが明かした増税&ポイント還元の対応策!

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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大手CVSは会計時に2%分のポイントを即時充当

 ローソンを含む大手コンビニエンスストア(CVS)各社は先日、消費増税に合わせて開始されるキャッシュレス決済のポイント還元について、会計時に即時にポイントを付与することで2%分の実質的な値引きを行う考えを明らかにしている。

 ポイント還元については、クレジットカードや電子マネーなどを提供するキャッシュレス決済手段発行会社が、利用者に対して後日ポイントを還元するのが原則だ。しかし、経済産業省が発表している「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)の概要」によると、会計時の即時ポイント付与については例外的な方法の「①店頭での購買時に、即時利用可能なポイント・クーポン等を発行し、購買金額に当該ポイント等相当額を充当する方法」に該当し、認められている。

 ローソンは、この2%のポイント還元分についてもレシートに記載する方針だ。お客がキャッシュレス決済を利用した場合は、キャッシュレス還元対象の金額と還元額が明記され、お客は値引き後の金額を支払うことになる。

 消費者にとっては、後からポイントが付与されるよりもその場で値引きされたほうが“お得感”があるため、CVS各社の対応は集客効果がありそうだ。しかし、これまでは例外的だった上記のポイント還元方法を大手CVS各社が導入したことによって、スーパーマーケットやドラッグストアなどほかの小売業や、キャッシュレス決済手段発行会社も同様の手段をとる可能性がある。実際、CVS各社のこの対応を受け、JCBなどの大手クレジットカード会社も請求段階で還元額を差し引く実質上の値引きを行うことを発表した。消費者にとっては企業や店舗、使用決済手段によって還元方法が異なることになるため、大きな混乱が生じるだろう。そのため、各企業はこれまで以上にお客に明確でわかりやすい告知を行うことが求められそうだ。

自社ブランドのクレジットカードでさらに4%のポイントを付与

 今回の会見では、キャッシュレス促進の施策としてローソン独自の取り組みも発表した。ローソン銀行(東京都/山下雅史社長)が20191月から発行を開始したクレジットカード「ローソンPontaプラス」でのポイント付与率を高める。従来、ローソン店舗での利用では100円(税抜)につき2ポイント付与されていたが、10月の増税後は4ポイントに増やし、2%分のポイント還元と合わせて合計6%を還元する。

 ローソンはこうした取り組みを通じてキャッシュレス化の推進を強化し、数年のうちにキャッシュレス比率を現在の20%から政府が目標としている40%にまで高める考えだ。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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